投資やトレードを始めていく際、その「スタートライン」は、

・投資、トレードの対象となる相場(市場)をこれから決める段階
・投資、トレードの対象となる相場(市場)が既に決まっている段階

このいずれかの段階に大別されると思います。

前者は、ふと「資産運用(投資、トレード)でお金を増やしたい」などと思い立って、投資やトレードの勉強を始めるような段階。

対する後者は、前者の経緯を踏まえて投資やトレードを行う市場(相場)を定めた段階か、何らかのきっかけで「株で稼いでみたい」「為替(FX)をやってみよう」と『対象とする市場(相場)ありきで投資やトレードを始めるようなケース』などがこれにあたります。

その上で、ここでは『株、為替、仮想通貨などの『相場(市場)』において、どの相場にどのような優位性があり、どの相場が稼ぎ易いのか』を考察していきたいと思います。

よってこの講座は、これから投資、トレードの対象となる相場(市場)を決める段階にある場合は、かなり参考になる内容になっていると思います。

また、その対象となる相場(市場)が既に決まっているような場合や、何らかの相場を対象に既に投資やトレードを行っているとしても、他の市場(相場)の特性やメリットを知る事ができると思いますので、是非、参考にしてください。

投資、トレードにおいて「最も稼ぎ易い相場(市場)」の考察。

まず、ここで言う『相場の稼ぎ易さ』にあたるものは、以下の3つをベースに考えていく必要があります。

・短期的な値動きの幅とその読み易さ
・長期的な値動きの幅とその読み易さ
・保有時における利回り


上記の通り「長期的な相場の動き」と「短期的な相場の動き」は、それらを捉える視点や、その判断材料が根本的に異なるため、これらは分けて考えなければなりません。

また、長期的に『投資』を行っていく場合は、その対象によって相場の変動とは別の「利回り(債権投資における金利、不動産投資における家賃収入、株式投資における株主配当など)」も加わる事になるため、これも判断材料の1つになってきます。

よって投資、トレードにおける「稼ぎ易い相場(市場)」は、長期的な「投資」をする(したい)のか、短期的な「トレード(投機)」をする(したい)のかで、根本的に、その「答え」や「考え方」が変わってくるという事です。

この『投資とトレード(投機)の違い』については、以下の講座で詳しく言及していますので、併せて参考にしてください。

>投資とトレード(投機)の違いとメリット、デメリット。

上記の講座でも言及している通り、ここでは『投資』と『トレード(投機)』を、それぞれ以下のように定義しています。

・投資:将来的な価値の上昇や利回りなどを目的として長期的に資金を投じる行為
・投機:相場の変動を利用して利益を得る事を目的に短期的に資金を投じる行為


これらの定義の通り『投資』は長期間で『トレード(投機)』は短期間という違いと、もう1つの大きな違いは『投資』の方は「相場の変動による利益」だけではなく「その投資対象から生じていく利回りも含めた形で利益を追求していく」という点です。
 

▼主な『投資』の対象とその「利回り」について

利回りに重きを置いた上で、長期的に『投資』を行うものの対象としては、

「債権」「株」「不動産」

などが主であり、この記事を書いている2019年の時点でそれそれの利回りは以下のような利率(年利)が水準となっている模様です。

・債権(国債などによる金利): 1~3% /年
・株式投資(株主配当)   : 2~8% /年
・不動産(家賃収入)    : 4~10%/年

ただ、これらはあくまでも利回りを重視して投資を行った場合の「かなり高めの水準」であり、それぞれの利回りは常に変動する可能性もあるものです。

よって、株や債券に投資をしている人や不動産投資をやっている人が皆、このような利回りを実現しているわけではありません。(例えば日本の国債は今現在、マイナス金利となっていますので、到底、上記のような年利を得る事は出来ません。)

とは言え、このような「利回り」による収益は、相場の変動そのものによって追求していく収益よりも遥かに「安定性」が高い事は確かです。

故に『投資』に堅実性と安定性を求めるのであれば、このような「利回り」を重視して投資の対象を選んでいけば良いという事になります。

逆にそれ以上のリターンを求めるのであれば、やはり「相場の変動」によって得られる利益を追求していくしかないという事です。

 
その上で、利回りを度外視した「相場の変動を対象とする稼ぎ易さ」を判断する上では、

・相場そのものの変動の幅(どれくらい相場が動くのか)
・その変動をどう読み取っていくのか(何によって、それを判断していくのか)

この2点が、その主な判断のポイントとなります。

相場の変動(値動き)によって稼ぐ事を前提とする場合は、当然ながら「その変動(動き)が大きいほど稼げる」という事になるからです。

ただ、そのような「値動きの大きさ」は、大きな利益に結び付く反面、大きな損失を生み出してしまうリスクも伴います。

そのため、その「値動きの幅」を収益の方に結び付けていく事が出来るかどうかは「その値動きをいかに読み取れるか次第」と言っても過言ではありません。

つまり、相場(市場)における「稼ぎ易さ」は『その相場の変動(動き)を読み取るための判断材料を、どのくらいの精度で分析できるかに左右される』という事です。
 

「相場の変動」を何によって判断するのか。

相場の変動(値動き)を捉える判断材料は、その相場(市場)によって異なり、また、それが長期間の変動なのか、短期間の変動なのかによっても異なります。

そして、それらの判断材料は「どれが高い精度で相場の動きを読み取れるものか」を一概に断定できるものではありません。

むしろ、それは「人によって異なる」というのが実状であるため『最も稼ぎ易い相場(市場)』にあたるものは「自分自身が高い精度で、その変動(動き)を分析できる相場」に他ならないと思います。

まさに、自分の適性に合ったものを分析し、その上で「相場の動き」を高い精度で捉えていく事が出来てこそ、相場の変動を大きな利益(稼ぎ)に結び付けられるという事です。

その上で、相場の変動を捉えるために多くの投資家、トレーダーが分析している対象は主に『ファンダメンタル』と『テクニカル』に大別されます。

前者の『ファンダメンタル(ファンダメンタル分析)』は対象となるものに関するあらゆる情報が全般的に該当するものであり、そういった情報から、投資対象の今後の需要や将来性などを判断していくもの。

対する『テクニカル(テクニカル分析)』は、その相場における過去から現在にかけての「値動き」から、投資家、トレーダー達の売り買いの「心理」や、その「偏り」などを判断していくものにあたります。

世の中の投資家、トレーダー達はそのいずれか、もしくはその両方を分析して投資やトレードを行っている傾向にあるという事です。

ただ、この『ファンダメンタル分析』と『テクニカル分析』は「人によって向き、不向きの適正があるもの」だと思います。

その分析対象はもとより、その先に見据えるもの自体が根本的に異なるものだからです。
 

『ファンダメンタル分析』か『テクニカル分析』か。

また、基本的に『ファンダメンタル分析』は、投資対象の先々の価値や将来性を分析するものであるため、これは決して明日の相場、数時間後の相場、強いては数分後、数秒後といった「目先の相場(値動き)」を分析するものではありません。

つまり『ファンダメンタル分析』は、長期的な視点で、その投資対象がどうなっていく可能性が高いのか、その将来性や、その将来的な価値を分析していくものに他ならないという事です。

対する『テクニカル分析』は、逆にそのような先々の将来性などは一切考慮せず、あくまでも、その「値動き」の状況のみを捉えて、そこから投資家達、トレーダー達がどういった売り買いをする可能性が高いのかを分析していきます。

言わば、これは完全に「目先の相場(値動き)を分析していくものに他なりません。

ただ、この「目先」の範囲や考え方は、トレーダーによって異なる傾向にあり『数時間後、数分後の値動きを読む上で有効』という人もいれば『数日後の値動きを読む上でも有効』という人もいます。

また、テクニカル分析をファンダメンタル分析と複合的に併用して行っているトレーダーも多く、これらを併用する事については、以下の講座で言及していますので、よろしければ、併せて参考にしてください。

>ファンダメンタル分析とテクニカル分析の併用について。

その上で『テクニカル分析』は、株や為替などを問わずどの相場(市場)を対象にするとしても、その「値動き」を分析していく事に変わりはありません。

対する『ファンダメンタル分析』は、その相場(市場)によって、その価値や将来性を判断するための情報そのものが全く異なるのが実情です。

株であれば、対象となる企業の業態、資産、業績といったものが、その将来性を分析する対象になると思いますし、為替であれば政策や国際的な社会情勢などが対象になるなど>「ファンダメンタルに関して言えば、その相場(市場)ごとに、その分析対象が異なる」という事です。

故に、そこでも「更なる適性」が生じる可能性があるのですが、投資業界の実情として『株式投資』や『不動産投資』においては、実際にファンダメンタル分析によって、大きな成功を納めている投資家が多数存在します。

ただ、それ以外の投資対象においては、長きに渡り、ファンダメンタル重視の長期投資で、大成功を納め続けているような『投資家』は、あまり聞いた事がありません。

テクニカル分析などを含めた短期間の範囲では、為替、仮想通貨などを対象に大きな成果を上げている『トレーダー(投機家)』は相当数いると思いますし、そういった人の話はよく耳にすると思います。

ですが「長期的な投資」の範囲で多くの成功者を生んでいるのは、株式投資と不動産投資くらいであり、為替や仮想通貨などは「短期間の値動き」を捉えて成果を上げている人が圧倒的に多いということです。
 

▼「株」と「不動産」が『長期投資』に適している理由。

やはり「株」や「不動産」は、投資対象となるものの価値や将来性を客観的に分析できる要素(判断材料)がある程度、明確であり、実際にそれらを分析する事で大きな成功を納めている投資家が多数いると考えられます。

対して「為替」などは、二カ国間の変動を読む必要があり、また、特定の通貨のみを分析する上でも、その価値や将来性を客観的に分析できる要素(判断材料)が、そこまで「明確」とは言えません。

むしろ、そこにあらゆる不確定な要素(政策、紛争、テロ、など)が常に入り込んでくるため、これを長期的な視点で的確に捉え続けるのは困難だと思いますし、これは仮想通貨などにも同じ事が言えると思います。

故に「為替」や「仮想通貨」などは、長期的な投資で利益を追求するよりも「レバレッジなどを用いた短期的なトレードで利益を追求していく事に優位性がある」ということです。

株、為替(FX)、仮想通貨、どの相場(市場)が最も稼ぎ易いのか。総括

ここで示す事ができる1つの結論として『長期的な投資』においては、ファンダメンタル分析を有効に行える「株」や「不動産」の相場に優位性があると言えます。

対して「為替」や「仮想通貨」などは、ファンダメンタル分析によって長期的な相場の変動を的確に読み続ける事が難しいと言わざるを得ません。

よって、そのような相場(市場)はテクニカル分析を取り入れた形で「短期的な相場」を対象としていくのが賢明という事です。

あとは自分自身が、ここで挙げたような『ファンダメンタル分析』と『テクニカル分析』の「どちらに向いているか」だと思いますので、これは一概にどういう人がどちらに向いているとは言えません。

故に、まずはどちらも「やってみる」というのが一番だと思います。

その上で、自分なりに納得のいくルール(方程式)のようなものを確立できたのであれば、それが自分自身にとって「稼ぎ易い相場」に他ならないという事です。

実際に私も『ファンダメンタル分析』と『テクニカル分析』の両方をそれなりに勉強してきた経緯があり、その上で『ファンダメンタル分析』の方では、どうにも自分なりに納得のいくルール(方程式)のようなものを確立できませんでした。

結果的に自分なりに納得のいくルール(方程式)を確立できたのが『テクニカル分析』の方だったわけです。

▼ 私が最も利益を上げている相場(市場)

尚、現時点で私が最も多くの利益を上げている相場は「仮想通貨(ビットコイン)」の相場です。

現時点で「テクニカル分析」に軸を置て短期的な相場の変動で稼いでいく事を前提とするのであれば、短期的な相場の変動が最も大きい「仮想通貨の相場」が最も稼げる相場だからです。

とは言え、それはあくまでも的確に相場の動きを読み取れる事が前提の話ですので、それが出来ない場合、変動が激しい相場は大きなリスクを伴います。

そのリスクをコントロールできるだけのスキルがあれば、現時点の「仮想通貨」の相場のように「変動の激しい相場ほど稼げる」という事です。

このブログは、そんな「短期的な相場の変動」を読み取るためのテクニカル分析を徹底的に追求していますので、本格的に、この「テクニカル分析」を追求されたいのであれば、まずは以下の講座で言及している、その「本質」から学んでみてください。

>テクニカル分析の本質とは

 
以上、本講義では「どの相場(市場)が最も稼ぎ易いのか」を私の体験談も交えた形で言及させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、こちらも是非、参考にして頂ければと思います。
 

>投資とトレード(投機)の違い。

>ファンダメンタル分析とテクニカル分析の併用について。

>仮想通貨、ビットコインFX、各取引所の比較と選び方について。
 

本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。