物事には、理論や知識よりも「経験」こそが重要になるものと、経験よりもまず「理論」や「知識」が重要になるものがあると思います。

また、これは人によっても見解が分かれるところで、どんな物事にも「理論」や「知識」を徹底的に詰め込む事で成功している人もいれば、理論や知識を抜きにした「経験」の積み重ねで成功している人もいます。

そして、これは相場(投資、トレード)の世界も決して例外ではありません。

まずは理論や知識をしっかりと勉強してからという人もいれば、

「理論や知識など何の役に立たない。」「とにかく経験の中でスキルを磨くべきだ。」

という人もいます。

ただ、この議論に「正解」のようなものは無いのだと思いますが「私なりの経験則」で言える、

・失敗の可能性を限りなく避けられる道筋
・成功できる可能性を限りなく高められるであろう道筋

このようなものが無いわけではありません。

よって、ここでは私の私見を前提とする形で『投資、トレードにおける理論(知識)と経験についての考察』を述べていきたいと思います。
 

投資、トレードの成功に必要不可欠なのは理論(知識)か経験か。

投資、トレードの世界に限らず、何かの分野や物事で「成功」を掴んでいくためには、そのフィールドで成功できるだけの「スキル」や「ノウハウ」を確立し、それをモノにしていく必要があります。

よって、ここで言う「理論(知識)」と「経験」の話は、

『成功に不可欠なスキルやノウハウをモノにする上で、どちらが重要なのか』

という視点で考察するべき、というのが私の考えです。

その上で「理論(知識)」にあたるものは言わば投資、トレードにおける基礎知識やテクニカル指標、相場の法則、投資の鉄則などに他なりません。

ただ、人によって見解が分かれる傾向にあるのは「経験」の方で、私が捉える投資、トレードにおける「経験」は以下のようなものになります

経験:実際の相場(値動き)に対して自らの売買の基準やルールを実用していく事

これが私が捉える投資、トレードにおける「経験」にあたるものなのですが、これは必ずしも金銭(リアルマネー)の投下が前提になっているわけではありません。

つまり、実際には1円のお金も投資せずに、相場(値動き)に対して自らの売買の基準やルールを「検証(テスト)」していく行為も、私の定義の上では投資、トレードの「経験」に該当するという事です。

ただ、この「経験」の部分で、人によっては「実際にお金を動かしてナンボ」という前提から、

『リアルなお金を用いた売買(トレード)を行っていく事こそが経験にあたる』

という考えを持っている人も少なくないはずです。

ですが、仮にそれを「経験」と定義するのであれば、知識(理論)よりも「経験」を優先して積み上げようとする投資家、トレーダーの大多数は、普通に「失敗」に至り、挫折していく事になると思います。

というより、実際にそういう投資家、トレーダーの大多数は失敗しているはずですし、そのやり方で成功できるのは、一握りの「生まれながらにして投資の才能がある人」に限られます。

もちろん、実際に資金を運用していく経験を重視する人からすると「まずは少額からでも、実際にお金を動かしてみない事には感覚がつかめない」という見解もあるかもしれません。

ですが、私の経験則で言えば「増えても減っても何も感じないレベルの資金」をどんなに運用しても、いわゆる「感覚」のようなものはさほど掴めないのが実情です。

本当の意味で「お金を運用している感覚」は、やはりある程度の資金を投じて本腰を入れた売買を行わない限り、掴めないものなんです。

そして、その「感覚」は運用するお金が大きくなればなるほど別次元のものになっていきますので『お金を動かす感覚は大きなお金を直に動かして掴んでいくしかない』というのが私の経験則です。

ただ、ここで言及したような

・お金を動かす感覚を掴む事
・相場の世界で成功できるスキルをモノにする事

これらは、私の中では全くもって別次元の話であり、その感覚を掴むのは「勝つためのスキル」をモノにした後でも遅くありません。

むしろ、何があっても損をしない事、資金を減らさない事を重視するべき投資、トレードの世界においては「まず先に身に付けるべきは勝つためのスキルに他ならない」という事です。
 

多くの有名投資家、トレーダーが口を揃える「投資の世界の鉄則」

例えば以下などはいずれも歴史に名を刻んでいる有名投資家、トレーダー達が世に残している投資の格言などにあたるものです。

第1ルール、損しないこと。第2ルール、第1ルールを忘れるな。-ウォーレン・バフェット
金を失ってはならない。資金はトレーダーの命綱である。-ジェシー・リバモア
生き残れ。儲けるのはそれからだ。-ジョージ・ソロス

いずれも投資家、トレーダーとしてのスタイルは全く異なる方々ですが、そんな3者でも共通して「資金を保持する事の重要性」を、こうしてそれぞれの格言に残しています。

投資、トレードの世界では、まさに「資金」こそが、相場という戦場で戦うための「実弾」であり、そして「命綱」に他ならないため、何を差し置いてでも、これを失ってはいけません。

この「鉄則」を前提に考えるなら、やはりまずは「勝つべくして勝つ事のできるスキル」を確立してモノにするべきであり、実際に資金(お金)を運用するのは、その後にするべきだと思います。

それこそ実際に「有効なスキル」をモノにした時、いざそこから稼いでいく事のできる収入は、結局のところ「その時の資金次第」となるのが揺るぎない現実です。

そうであるからこそ、それまではとにかく資金を蓄えておくに越した事はないわけです。

いざ「売買において有効な基準やルール」を確立した後には『それに従っていく形の売買を実際のお金で動じる事なく行えるか』という課題が、そういったスキルを確立した次の段階に浮上してきます。

ですが、この課題は「有効なスキル(売買の基準やルール)」を確立した「次の段階」の話になりますので、やはり「その感覚を掴みに行く」のは、その後で問題ないわけです。

何より既にお伝えした通り、ここで言う「お金を動かす感覚」は、増えても減っても何も感じないような金額の運用では養えません。

ただ、実際にそれなりの金額を運用していくとなれば、その資金を減らす事、失う事は徹底して避ける必要があるため、やはり、その時点で「それを避けられるだけの相応のスキルが必要不可欠である」という事です。
 

リアルな資金運用は「勝つべくして勝ち続けるためのスキル」をモノにしてから。

確かに「実際に資金を運用してみない事には掴めない感覚」にあたるものはあると思います。

ですが『売買(トレード)における有効なスキルや基準を確立していく事』と、そのような『お金を動かく感覚を掴む事』は、ほぼ無関係なのが実情です。

それこそ、相場において有効な売買の基準やルールなどは、私の「経験」の定義である『実際の相場(値動き)に対する自らの売買の基準やルールの検証(テスト)』を徹底的に行っていけば、それで十分に確立していく事ができます。

ただ、その際にリアルなお金を投じているかどうかは、それこそ「感覚」の違いでしかないものです。

そのような「感覚」にあたるものと「実際に有効な基準やルールを確立していく事」には実質的な因果関係など、何もありません。

リアルな資金の投下の有無で、その基準やルールの精度、検証の結果等が変わる余地など無いため、それらがまだ「不十分な状況」で、あえて資金を投じていく必要など全く無いという事です。
 

▼ 誰もが幾度と味わう「負ける経験」は机上で十分。

実際のところ「最初の段階」では、大抵の基準やルールが思わしくない結果に終わっていく事になると思います。

よって、資金を用いない形の「検証」の期間は「リアルな資金を投じていなかった事」を喜べるような状況がしばらく続く事になるはずです。

それこそ私も、数々の基準やルールを検証している段階では、何度、運用資金の全てを失うような状況に至ったかわかりません。

その際、もしも実際にリアルな資金を投じていたなら、まず間違いなく今のような有効な手法を確立する前段階で挫折していたはずです。

そんな私自身のリアルな経験則も含めて、私は『リアルな資金を実際に運用していくのは、相応の有効なスキルをモノにしてからにする事』をこうして推進しているわけです。

 
投資、トレードの世界で「理論(知識)」と「経験」のどちらを優先して積み重ねていく事が「成功」への道筋を辿りやすいのか。

この議論において、その『経験』にあたるものが「リアルな資金を運用していく事」であるなら、それを優先していく道筋は、大多数の人が「挫折」に至る可能性が極めて高くなると思います。

ただ、ここで言う『経験』を、私が定義したような「実際の相場(値動き)に対する自らの売買の基準やルールの検証を行う事」とするなら。

そして、それを「まずはリアルな資金を用いずに行っていく」のであれば、その『経験』は下手な理論(知識)を詰め込んでいくよりも遥かに有意義なものになっていくはずです。

もちろん、相場というものに向き合い、そこで有効な売買の基準やルールの原案となるものを作り出していく上では最低限の基礎知識や原則などは押さえておく必要はあります。

ですが、それ以上の下手な理論(知識)は、下手な先入観で相場(値動き)を見てしまう事にもなりかねません。

故に、私は下手な理論(知識)を詰め込んでいく事よりも『相場(値動き)と向き合いながら、ひたすらあらゆる基準やルールでトライ&エラーを繰り返していく事が重要』と考えています。

結論として『そのような経験の積み重ねこそが「勝つべくして勝つためのスキル」をモノにする上で必要不可欠』というのが、私自身の経験則を含めた1つの答えに他ならないという事です。
 

▼ そこに「唯一の近道」があるとすれば。

よって、有効な売買の基準やルールを確立していく工程に「近道」のようなものは無いに等しく、とにかくこれは地道にトライ&エラーを繰り返していくしかありません。

ただ、もし、それに近いものがあるとすれば、そのような自らの労力と時間を割いたトライ&エラーを避けて「既に確立されているスキル(ノウハウ)をモノにする事」だと思います。

ここで言わば、投資、トレードの世界で「成功」を掴むための道筋としては、

・自らの時間と労力を投じて有効な売買のスキルを確立していく道筋
・そのようなトライ&エラーを避けて既に確立されているスキルをモノにしていく道筋

このような2つの選択肢が存在する事になるわけですが、前者には「時間」と「根気」が必要となり、後者には、本当に有効なものを選び出せる「判断力」が必要になります。

ただ、そのどちらの道を選ぶにしても、このブログの各講座や私のメルマガ講座の内容は、十分にお役に立てる情報を数多くをお届けしているものになっているはずです。

今回の「理論(知識)か経験か」の話に少なからず共感できる部分があったようであれば、是非、他のブログ講座や私のメルマガ講座も併せて受講してみてください。

 
以上、今回は「投資、トレードの成功に必要不可欠なのは理論(知識)か経験か。」というテーマで、私自身の経験則も交えて講義させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、よろしければ併せて参考にしてください。

>投資、トレードで成功するためにまずやるべき事、学ぶべきこと 。

>相場(投資、トレード)で損をする人、負ける人が多い理由。

>投資、トレードで成功する人、失敗する人の考察。

>投資、トレードで成功するための鉄則は「勝つ事」ではなく「負けない事」


本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。