『過去から現在までの相場の動きから先々の値動きを分析する事。』

これが「テクニカル分析」の一般的な定義であり、その分析結果に基づいて行うトレード(売買)が、俗に『テクニカルトレード』と呼ばれています。

故に、テクニカル分析に基づくトレードは、

「相場の値動きは過去から現在までの値動きから予測できる」

という事を大前提としているのですが、世の中の多くの投資家、トレーダーは、この「テクニカル分析」を、その『在るべき本質』とはズレた視点で行っている傾向にあるのが実情です。

とくに負け続けている「勝てないトレーダー」などは、ほぼ例外なく、この「テクニカル分析」をズレた視点、ズレたやり方で行っている傾向にあり、それが実質的な勝てていない原因であると言っても過言ではありません。

逆に言えば「テクニカル分析」の視点や方法を、しっかりとその「本質」に沿ったものに切り替える事が出来るだけで、日々のトレードは驚くほど「負けなく」なります。

そんな「在るべき本質に沿ったテクニカル分析」とは、どのようなものなのか。

ここでは、そんな『テクニカル分析の本質』と共に、その本質に沿った在るべきテクニカル分析の視点、方法などを言及していきたいと思います。

先立つ冒頭文で「(トレードで)勝てるようになる」とは言わずに、あえて『負けなくなる』という言い方をしたのは、私が「相場の分析」を『負けを避けるための分析』と捉えている事に起因します。

要するに私は「トレード」というものを『勝つ事よりも負けない事に重きを置かなければならないもの』と捉えているわけです。

というのも、相場の世界はどんなに勝ち続けても「一度の負け」で全てを失う可能性があるため、相場で「稼ぎ続ける」には、何があってもそのような「全てを失うような負け」を回避できなければなりません。

言い方を変えれば『負けなければ勝てる(勝ち続けられる)』のも相場の世界であるため、私は「勝つための分析」ではなく「負けを避けるための分析」に重きを置いています。

少なくとも、相場の世界で「必勝法」を確立する事は不可能だと思いますし、そのような「必勝のルール」を確立しようとするよりも『徹底して負けを避けられるルール』を確立する方が遥かに容易であり、現実的です。

そのようなルールを可能な限り高い精度で確立する事が出来れば、結果として相場の世界では継続的に「稼ぎ続ける事」が出来ます。

故に、私が捉える「テクニカル分析」の目的は、勝つためのルールを確立する事ではなく、

『可能な限り負けないためのルールを確立する事』

にあり、その結果として、現時点で確立する事ができたのが、今現在、私が提唱し、実践しているトレードノウハウに他ならないという事です。

この考え方については、それを言及している以下のような講座がありますので、併せて参照して頂ければと思います。

>トレードで「稼ぎ続ける」には勝つ事よりも負けない事が重要である(執筆中)

テクニカル分析の本質とは。

テクニカル分析は「過去の値動きの分析」であり、その分析によって『今後の値動きを予測していく事』を目的としています。

その「過去の値動き」から何らかの規則性、共通性などの『パターン』のようなものを見出していく事にあるわけです。

よって、このようなテクニカル分析は、

『相場の値動きに規則性や共通性が存在する』

ということが前提であり、テクニカル分析そものを懐疑的、否定的に見ている人は、そういった規則性、共通性の存在そのものを否定しています。

ただ、実際にそのような規則性、共通性を否定している傾向にあるのは、実際に相場でお金を動かしているトレーダーや投資家達ではなく、相場を理論でしか捉えていないような、いわゆる「学者」と呼ばれる層の人達に多いのが実状です。

どのような相場状況においても、短期的、長期的を問わず、そこからの「上昇」と「下降」の可能性は常に2分の1の確率である。

このようなものがテクニカル分析の有効性を否定している人達の「相場の値動き」における主な見解です。

ただ、このような見解は相場の動き(価格の上昇、下降)を「コイン投げの裏と表が出る確率論」などと同等に捉えてしまっています。

確かに「コイン投げ」であれば、たとえ何度、裏、または表が続いて出ても、その次に表が出る確率と裏が出る確率は常にどちらも50%です。

コインの裏と表が、それ以前にどのような頻度で出現していようと、そのデータは、先々のコインの裏表を予測する上で何の役にも立ちません。

ですが、そんな「コイン投げ」と「相場の値動き」は全くの別モノであるにも関わらず、テクニカル分析を否定している人達は、

ありとあらゆる不確定な要素が複雑に影響し合う相場において、価格が上昇するか下降するかの確率は2分の1に限りなく等しい。

このような見解から「そこには何の規則性も共通性もない」とした上で、

『過去の値動きから将来の値動きを予測する事は出来ない』

という事を提唱しているわけです。

ですが、このような見解には非常に大きな「落ち度」があります。

確かにコインの表と裏は「物理レベルの範疇」から50%の確率になるものですが、相場の値動きにはそこに『投資家、トレーダー達の心理』が介入しているんです。

少なくとも、その相場に関わる全ての投資家、トレーダー達が「上昇か下降か」を判断、予測して実際に資金を動かしている以上、

「どの程度の上昇相場がどのくらいの間、続いているか」
「どの程度の下降相場がどのくらいの間、続いているか」

といった「過去から現在までの値動き」は、少なからず先々の値動きを予測する判断材料になりえるはずです。

▼「相場(値動き)」と「心理」の関係。

これを「自分自身の心理」に置き換えて考えてみてください。

それが「コイン投げ」であれば、何度、連続して表や裏が出ていようと、

「次に表が出るか裏が出るかの確率は(物理的に)同じである」

と考え、それまでのデータなどを、その後の裏、表の予想に用いる事はしないと思います。

ですが「相場における値動き」を予測していく上では、相場の上昇または下降が長く続けば、

「そろそろ折り返して戻りはじめるのではないか。」
「いや、まだまだ上昇(下降)を続けるのではないか。」

と、そこに「これまでの値動き」を少なからず考慮する心理が働いてしまうはずです。

それを完全に無視して「常に確率は2分の1だろう」と割り切るような事はしない(できない)と思いますし、

「多くの人が、そのように考える頃ではないか。」

と、他の投資家、トレーダーの中に生まれるであろう「心理」も見え隠れしてくるため、嫌でもそれらが今後の値動きを予測する材料になるはずなんです。

そして、そのような心理は全ての投資家、トレーダーも同様に抱くものであるため、相場における値動きには、どうあってもそのような「人間心理」が介入していく事になります。

相場は常に、そういった投資家達、トレーダー達の「心理」を織り込んだ上で動いていくものであるという事です。

故に、相場の値動きにはコイン投げなどにおける「物理」を超越した『心理の範疇』が存在する事になります。

そして、そのような『人間心理の範疇』に及ぶものには、統計心理、集団心理などに基づく「指標」や「基準」を見出していく事が出来るんです。

ただ、テクニカル分析は、そのような指標などをはじめとするデータとひたすら格闘しながら、そこに「規則性」のようなものを探り当てるものと解釈されている傾向にあるのが実情です。

ですが、その本質は「相場を捉える人間心理を追求する事」にあり、あらゆるデータの「先」にある人間心理を分析していくものに他ならないという事です。

テクニカル分析 = 値動きに対する「投資家心理」の分析

ただ、実際に「テクニカル分析」や、その分析結果に準じたトレードを行っている人の多くは、意外とこの「本質」を意識できていない傾向にあります。

過去の値動きや指標をただの「データ」として扱い、そこに規則性を追い求めるような分析を行うのみで、そこで見据えるべき「人間心理」に目を向けられていない傾向にあるんです。

とくにこれは「テニクカル指標」と呼ばれるようなものを、ただ漠然と使っているようなトレーダーに多い傾向があり、

「何故、その指標が有効なのか。」
「その指標がどのような計算式で成り立っているのか。」
「その計算式で何故、売りと買いの強さを判断できるのか。」

このような指標の成り立ちや理論を全く理解する事なく、ネット情報やトレード本に書かれていただけの幾つかの指標を使い、そこに書いてあった使い方だけをただそのまま鵜呑みにして使用しています。

その指標の「有効性(有効な理由)」や「理論」などを全く理解していないままの状態で、

「それが有効だと書いてあったから。」
「多くのトレーダーがそういう使い方をしているらしいから。」

といったレベルの判断で何気なく使っているような人が多く、そして、ことごとく「相場の養分」になってしまっている傾向にあるんです。

ただ、それは「当然」の結果であり、そのような人は根本的に『相場における人間心理(集団心理)』というものに向き合えていません。

向き合っているのは、ただ漠然と表示されている「指標」のみであり、その先に見据えるべき「心理」が完全に度外視されてしまっているという事です。

それこそ、そのような人は、

テクニカル分析 = データ、指標を分析して勝率を高める事

といった解釈になってしまっているのだと思いますが「テクニカル分析の本質」は、決してデータや指標そのものを分析することにあるわけではありません。

テクニカル分析の本質は、あくまでも『投資家心理(集団心理)を分析する事』にあり、その際に用いる「テクニカル指標」などは、そのような心理を分析するための「手段」や「道具」の1つに過ぎないものです。

そして、テクニカル分析をそのような「データ分析」ではなく「心理分析」であると捉える事ができているかどうかの一点のみでも、その「視点」や「方法」は少なからず変わってくるはずです。

『それは投資家心理(集団心理)を分析する上で有効なのか。』

テクニカル分析は、常にこのような視点が、その「大前提」になっていなければならないため、

・その前提の上で有効な指標なのか。
・その前提の上で有効な設定値になっているのか
・何故、その指標、その設定値が有効と言えるのか

このような視点が、常に必要不可欠となります。

よって、その「テクニカル指標を組み合わせる」といった方法で分析を行う上でも、

『投資家心理を分析する上で、何故、その指標の組み合わせが有効なのか』

を「論理的」に説明できないようであれば、やはり、それはただ漠然と適当な指標を組み合わせて使っているだけに等しい状況と言わざるを得ません。

当然、そのような分析方法でトレードで勝つ事は出来ないと思います。

相場は「指標」によって動いているわけではなく、あくまでも投資家達の「心理」によって動いているからです。

現実問題として、相場が投資家、トレーダー達の「売り買い」で動いている以上、その「売り」と「買い」の判断を担う投資家達の『心理』の分析は、相場の動きを捉えていく上で、必要不可欠と言えます。

その心理動向を大きく左右する要素の1つが、他でもない『テクニカル(=値動き)』であるという事です。

「テクニカル分析の本質」総括。

『値動き、指標の先にある、投資家達の心理とそこから生じる売り買いの動向を捉える事。』

率直に言えば、これが「テクニカル分析の本質」と言っていいと思います。

少なくとも、行動心理学の見地では、

『人間心理とそこから生じる行動、およ及びその判断には一定の規則性に近いものが存在する』

と言われていますので、その「規則性」が相場の値動き(チャート)に現れる(現れている)というのがテクニカル分析の大前提です。

心理学がその「規則性」を統計的に見出していくものであるのと同様に、テクニカル分析も「値動きの規則性」を統計的に見出していくものに他なりません。

故にテクニカル分析の1つのゴール地点は、

『値動き(チャート)を統計的に捉えた上で、そこから投資家達の心理的な規則性を捉えていく事』

であり、それこそが「勝つべくして勝てるトレード」の大きな足掛かりとなるわけです。

▼ 投資家達の心理動向を左右するもう1つの要素。

この『テクニカル』に相対するものとして、投資家、トレーダー達の心理動向を左右する要素には『ファンダメンタル』と呼ばれるものがあります。

この「ファンダメンタル」は、対象となる相場に関連する内部的、外部的な情報が全般的にその対象となるもので、株式の場合で言えば、対象となる銘形(企業)の業績や時価総額などの「財務情報」がこれに該当します。

ファンダメンタル分析
→ 相場に影響を及ぼす内部情報、外部情報を捉えた投資家、トレーダー達の心理動向を分析する事。

テクニカル分析
→ テクニカル(値動き)を捉えた投資家、トレーダー達の心理動向を分析する事。

この「ファンダメンタル」と「テクニカル」の分析は、上記のように分類されるのが一般的で、これらは、いずれも相場の値動きに大きく影響を及ぼしていると言われています。

故に「相場の分析」においては、

・テクニカル分析においてファンダメンタルをどのように捉えるか
・ファンダメンタル分析においてテクニカルをどのように捉えるか

これらが投資家、トレーダーによって異なる傾向にあり、両方を意識して売買を行うトレーダーもいれば、片方を完全に無視して売買を行っているというトレーダーもいるのが実情です。

いずれにしても『テクニカルトレードの追求』においては、この「ファンダメンタル」をどう捉えるかが重要なポイントとなる側面があるため、それ次第でテクニカル分析の在り方も少なからず変わってくる余地があるんです。

その上で、以下の講座では、

『テクニカルトレードにおいてファンダメンタルをどう捉えるべきか』

を言及していますので、是非、こちらの講座も併せて参照してみてください。

>テクニカルに対する「ファンダメンタル」の考察(執筆中)

以上、本講義では『テクニカル分析の本質』と、その本質に沿った在るべき視点、方法などをお話しさせて頂きました。

今回の講義のテーマを、更に踏み込んで考察されたいようであれば、以下の講座で言及している『相場が何故、動くのか(何が相場を動かしているのか)』を併せてご参照ください。

>相場の力学~相場は何故、動くのか~(執筆中)

本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。