相場の世界で稼ぐためには、相場の「動き(値動き)」を捉えていく必要があり、投資家、トレーダーの「勝ち組」と「負け組」は、その動きをいかに高い精度で捉えられるかで決まってしまいます。

その値動きを捉えることができる投資家、トレーダーはマーケットから次々と利益を上げる事ができますが、その判断を誤ってしまう投資家、トレーダーはどんどん損失を生んでしまう事になるからです。

故に、投資、トレードの世界では、その「値動き」を捉えるための判断材料となるものが幾つも提唱されているわけですが、それらを用いる際は、

『それが本当に(値動きを捉える上で)有効な判断材料に値するものなのか』

を事前にしっかりと判断していく必要があります。

ただ、その判断の上で重要となるのは『相場は何故、動くのか』『相場は何によって動いているのか』といった、根本的な「相場を捉える視点」にあたるものです。

よって、相場の値動きを捉える上で、何らかの判断材料を用いるのであれば、

・それが「値動き」に対して、何らかの形で関係しているものなのかどうか。
・それが「値動き」に対して、何らかの影響を及ぼしているものなのかどうか。

を、まず判断するべきだと思います。

相場の値動きに対して何の関係性もなく、何の影響も及ぼしていないものを、その判断材料に用いても、何の意味もありません。

少なからず「相場の動き」に対して、明らかに「関係性」があり、そこに「影響」を及ぼしているものを分析していってこそ、そこに「答え」を見出していく事ができるものだと思います。

投資、トレードにおける売買を行っていく際にはまず『相場を動かしているものの正体』を捉える必要があり、その売買における判断は、それらを分析するところからスタートしなければならないという事です。

そこで本講義では「相場の根本を言及する講義」として、相場が何故、動くのか、何が相場を動かしているのかを言及していきたいと思います。

相場の力学~相場は何故、動くのか~

そもそも「相場」と呼ばれるものは、その対象となるものに対してお金を投資している投資家、トレーターなどと呼ばれる人達が存在する事によって生み出されています。

その投資対象となるものを「買う人」と「売る人」が、それぞれ合意の上で「売買」を行っているからこそ、そこに『相場』が生まれるんです。

そして、その「売り」と「買い」の強弱のバランス(需要と供給のバランス)に「偏り」が生じれば、その偏りの強い方に相場は動いていきます。

つまり『相場は投資家、トレーター達の売り買いによって動く(動いている)』というのが1つの「答え」に他なりません。

ですが、これは「表面的な答え」でしかなく、この答えはもう少し深く掘り下げられる余地があります。

その「投資家達」「トレーダー達」が何を目的として、何を基準にその売買を行っているのかを追求してこそ、より鮮明に『相場を動かしているものの正体』が見えてくるという事です。

ただ、投資家、トレーダー達の「目的」はあえて追求するまでもなく明白であり、彼等は「利益を得るため」に投資、トレードを行っています。

相場の変動によって利益を得るための売買が行われ、また、場合によって損失を避けるために手を引くための売買が行われているんです。

その上で、何を基準とした上で「売買によって利益を生み出せるタイミング」などを判断しているのかという点で、多くの投資家、トレーダーがその「拠り所」にしているもの。

それこそが、相場の世界において俗に『ファンダメンタル』『テクニカル』と呼ばれているものにあたります。


相場は「ファンダメンタル」と「テクニカル」によって動いている。

『相場はファンダメンタルとテクニカルによって動いている。』

これが多くの投資家達、トレーダー達の「相場を捉える視点」であり、これは私も例外ではありません。

彼等の「売り買い」における判断基準が『ファンダメンタル』と『テクニカル』である傾向から、相場がこれらによって動いていると言う考え方が、私を含めて、多くの投資家、トレーダーにそのまま浸透しているわけです。

その上で『テクニカル』は「過去から現在までの相場の動きに関する情報」が該当し、対する『ファンダメンタル』は「対象となる相場に関連する内部的、外部的な情報」が全般的に該当すると言われています。

「昨日の最安値、最高値はいくらだった。」
「1時間で昨日の最安値、最高値はいくらだった。」

このような「相場の値動き」に関する情報全般がテクニカルに該当するもの。

「A社の時価総額はいくらだ。」
「B社の昨年の業績はこうだった。」

このような「財務状況」「業績」などがファンダメンタルに付随する内部的な情報。

「このような法案が通るとC社のような業種の事業が有利になる。」

このような投資対象となるもの「外部的な要因」にあたるものがファンダメンタルに付随する外部的な情報』にあたるわけです。

そして、上記のような相場に影響を及ぼす内部情報、外部情報を分析して今後の値動きを予測する事をファンダメンタル分析。

テクニカル(値動き)を分析して今後の値動きを予測する事をテクニカル分析と呼ぶのが一般的で「ファンダメンタルとテクニカルのいずれも相場の値動きに大きく影響を及ぼしている」と言われています。

ファンダメンタルは、その投資対象となるものの「価値」の判断を左右する要素となり、また、テクニカルは、相場を捉える投資家、トレーダー達が今後の値動きを想定する「心理(心理動向)」を左右する要素となるからです。

つまり相場においては、投資対象の価値を判断(分析)した上で売買を行っている投資家達と、その時点までの値動きを捉える投資家心理を判断(分析)した上で売買を行っている投資家達がいるという事です。


相場に作用する「価値」を捉える心理と「値動き」を捉える心理。

相場が対象となるものの投資家、トレーダー達の「売り買い」によって動いている事から『その売買における彼等の思惑(心理)こそが相場を動かしている』という点に疑いの余地はありません。

ただ、その売買における思惑(心理)は「投資対象の価値」を捉えて判断を下している投資家と「値動きを捉えた投資家達の心理」を捉えて判断を下している投資家、そして、その「両方」を捉えて判断を下している投資家に分かれます。

その上で、投資対象の価値を捉えていくために行われているのが「ファンダメンタル分析」であり、値動きを捉えた投資家心理を捉える上で行われているのが「テクニカル分析」であるという事です。

よって、相場には常に、

・投資対象となるものの価値を捉える思惑(心理)
・値動きそのものを捉える思惑(心理)

この「2つの心理」が複合的に作用しています。

その「価値を捉える心理」と「値動きを捉える心理」こそが『複合的に相場を動かしている』という事です。

▼ 相場は常に「本質的価値」に近づいていく。

ここまでの理論を踏まえた上で『相場は常に本質的価値に近づいていく』とも言われています。

そして、その「本質的価値」を分析していく行為こそが『ファンダメンタル分析』であり、この原則を徹底して追及した投資を行っているのが「世界一の投資家」と言われる『ウォーレン・バフェット』です。

ウォーレン・バフェットはマイクロソフト創業者のビル・ゲイツと「世界で最も多くの資産を保有している個人」の座を競い合っていた事もあり、投資の世界においては間違いなく「最も成功している人物」です。

そんなウォーレン・バフェット氏が『相場は常に本質的価値に近づいていく』という原則を追求していく投資手法で「成功」を納めているのですから、これは1つの「真理(もしくは、それに限りなく近いもの)」に他なりません。

ただ、この原則は「相場を長い目(数カ月、数年)で見た上での理論」であり、これは当のウォーレン・バフェット氏もそのような事を言及しています。

実際にウォーレン・バフェット氏は「長期投資」を徹底する事によって、その資産を築いているため、他でもないその「投資手法」こそが、その事を裏付けているんです。

つまり『相場は常に本質的価値に近づいていく』という原則は「数秒後、数分後、数時間後、更には数日後といった短期間、短時間を前提とする理論ではない」という事です。


ただ、その投資対象となるものの「価値」や、それを捉える多くの投資家達の「価値を捉える視点」が数秒、数分単位で、そこまで大きく変動するような事など、そうそうありません。

もちろん、特定の国を対象としたテロや天災、特定の企業やその経営者による不祥事など、その投資対象を揺るがすような特別な「何か」があれば、大きな変動もありえると思いますが、それは極めて「特殊なケース」です。

そのような「特別なケース」を除けば、投資対象となるものの「価値」の指標となるファンダメンタルは、基本的には『相場の大局的な動き(長期的な動き)を形成していく要因』に他ならないという事です。

逆にここで挙げたような「特別なケース」を除ければ、ファンダメンタル分析で数秒後、数分後といった短い時間の値動きを予測、想定する事はまず「不可能」だと思います。

数秒、数分という時間で、その投資対象となるものの「価値」や、それを捉える投資家達の視点などが変わる余地は、ほぼ無いに等しいからです。

そして、その「ファンダメンタル」に対して『数秒後、数分後といった短時間の値動きの要因』となっていくものが値動きそのものを捉える「投資家達の心理」であり、それを捉えるために行っていくのが「テクニカル分析」です。

過去から現在までの値動きを捉えた上で「買い」の心理が強く働く可能性が高いのか、また「売り」の心理が強く働く可能性が高いのか。

その「瞬間的な心理のバイアス(偏り)」を統計などを交えて分析していくのが『テクニカル分析の本質』であり、これはまさに数秒、数分といった「短時間の値動き」を捉える上で有効となります。

ただ、そのような「瞬間的な心理の偏り」から数日、数カ月、強いては数年という期間の値動きを予測、想定する事はまず出来ません。

もちろん、これは私の私見に近いものかもしれませんが、少なくとも私はテクニカル分析をそのように捉えています。

故に、テクニカル分析は「1時間よりも1分、1分よりも1秒と、経過する時間の範囲が短いほど、その間の心理動向と「値動き」を正しく捉える事が出来る可能性が高くなる」と考えているわけです。

ここでお伝えしたような考えから、私は「テクニカル分析」によって数秒、数分といった極めて短い時間の値動きを捉える事のみに特化したトレードルールを追求しています。

そして、その経緯、経過などをこのブログを介して公開しているわけです。

故に、ファンダメンタルによって変動する余地の少ない、数秒、数分といった短時間の間の値動きは、値動きを捉える心理によって形成される可能性が高いというのが私の見解です。

つまり「長期間の相場」はファンダメンタルによって動く傾向にある事に対して「短時間の相場」はテクニカルによって動く傾向にあるということです。

相場の力学~相場は何故、動くのか~ 総括

冒頭でもお伝えしたように、相場は原則として投資家、トレーダーと呼ばれる人達による、その投資対象となるものの「売り買いの強弱」によって動いていきます。

よって、その「値動き」を捉えて利益を上げる事を意図する場合、短時間の「トレード」においては『その短時間で「売り」と「買い」のどちらが強く相場に反映していくのか』を的確に判断できれば、その金額などは別として「勝ち負け」で言えば、まず負ける事はなくなります。

また、その相場に対して長期間の「投資」で利益を上げる事を意図するのであれば『その長期間の間に「売り」と「買い」のどちらが強く相場に反映していくのか』を判断できなければなりません。

その上で、相場を動かしている投資家、トレーダー達の「売り買い」は、あくまでも、彼等の思惑(心理)によって生じていくものである以上、その思惑(心理)を左右していくものこそが、より直接的に相場を動かしているものの正体と言えます。

そしてそれは、大局的(長期的)には「ファンダメンタル」と呼ばれる、その投資対象の内部的、外部的なあらゆる情報が大きくその値動きに影響を与え、短期的には、投資家達が値動きそのものを捉える「テクニカル」が大きな影響を与えていると考えられるわけです。

故に、私のトレード手法は、極めて短期的な売買(トレード)に特化したものになっているため、根本として「ファンダメンタル分析」は、その価値の分析、心理の分析のいずれも取り入れていません。

あくまでも相場の値動きを捉える「テクニカル分析」のみでトレードを行い、ファンダメンタルは完全に無視しています。

ファンダメンタルの大局的な相場への影響は大きいものの、数秒先、数分先の値動きが読めれば十分な手法において、数日後、数カ月後、数年後といった長期的な値動きなど、全くもって考慮する必要がないからです。

以上、本講義では「相場が何故、動くのか」「相場を動かしているものの正体は何なのか」という点について、私なりの私見を交えて講義させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、よろしければ併せて参照してみてください。

>テクニカル分析の本質について。

>ファンダメンタル分析の本質とテクニカル分析との併用について。

本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。