投資やトレードの世界では、小さな勝ち(利益)を積み重ねていく中で、それを上回る大きな負け(損失)を被り、トータル的に負けている人が多いと言われています。

まさに「コツコツと勝ってドカンと負けているトレーダーが多い」という事です。

そのような「負け方」をしているトレーダーの傾向として、

・利益の確定、および、その判断を定める基準(利確のルール)
・損失の確定、および、その判断を定める基準(損切りのルール)

この2つの「範囲」に圧倒的な違いがあり『利益を確定させる範囲を狭め、損失を確定させる範囲を広くしている傾向』にあります

レートがプラス方向に変動していく際のリターン(含み益)は早い段階で確定する傾向にあるものの、マイナス方向に変動していく際のリスク(含み損)の確定範囲は広い傾向にあるという事です。

これは、トレーダー自身がそのようなルールを定めているケースもあれば、明確なルールを定めないまま、結果的にそのようなトレードを行ってしまっているケース。

また「情報商材」などで提供されているノウハウやツールの大半が、このようなルールを前提とするものになっている背景もあり、それに従う形でトレードを行っているケースなどが考えられます。

ただ、どのような経緯でそのようなトレードを行っているにせよ「そのようなトレーダーの大半は勝つ事が出来ていない傾向にある」という事です。
 

FX、トレードにおける「コツコツ・ドカン」のパラドックス。

相場は「大半の状況」において『一定範囲で上昇と下降を繰り返す傾向』にあるため、そのような値動きの中では、リスクの許容範囲を広げているトレーダーほど、負けにくく、勝ちを拾い易くなります。

故に、目先の利益を追いかけてしまいがちなトレーダーや、その「目先の勝ち負け」の範囲では勝てている事をアピールしたい情報商材におけるノウハウやツールでは、

・小さな利益を追求するローリターンな利食いルール
・大きな損失を許容するハイリスクな損切りルール

このようなルールを前提としているものが多い傾向にあるのが実状です。

そのようなルールで「目先の利益」だけを小さく積み上げながら「ひとまずは勝てている状況」に満足している傾向(満足させられている傾向)にあるという事です。

ですが、相場が一定範囲内の上下を繰り返すような傾向は「常に」というわけではなく、時に相場は「大きく上昇し続ける事」もあれば「大きく下降し続ける事」もあります。

そのような時にリスク(損切り)の範囲を広く設定しているようなトレーダーは、軒並み大きな損失を被ってしまう事になり「トータル的には損失の方が上回ってしまっている」という事です。

▼ 小さく勝って大きく負ける具体事例。

例えば、1日に1円ほどのレート変動が見られる相場の現在レートが100円の時、

・90円に下がる確率(10円のマイナス変動がある確率)
・101円まで上がる確率(1円のプラス変動がある確率)

であれば、当然の理屈として、1日にレート変動の範囲内である「レートが101円に上がる確率の方が高い」という事になります。

よって、このような相場を対象に、

・10円のマイナス変動があった時点で損失を確定させる(損切りを行う)
・1円のプラス変動があった時点で利益を確定させる(利食いを行う)

このようなルールで「買い」のトレードを行った場合、単純な確率の上では、1円分の上昇変動が生じて「1円分の勝ちトレードとなる可能性の方が高い」という事になるわけです。

ですが、このような確率論で5回、6回と連続して1円の勝ち(利益)を拾っていっても、一度、10円のマイナス変動が伴う相場に遭遇してしまうと「10円の損失」が生じる事になります。

つまり、ここで挙げたようなトレードルールであれば、最低でも9割以上の勝率を維持し続けなければ、長期的に収支をプラスにしていく事はできず、損失の方が大きくなっていくという事です。

ハイリスクローリターン vs ローリスクハイリターン

ただ「ハイリスクローリターンなトレードでは勝てない」という現実に対して『それとは真逆のトレードを行えば勝てるのか』というと、決してそうではないのが相場の世界の実状です。

現実の『相場の値動き』は「大半の状況」において、一定範囲の上下を繰り返す傾向にあるものの、いつかは「どちらかに大きく動き続ける相場」が訪れる傾向にあります。

その中で大半のトレーダーが、それまでに積み上げた利益以上の損失を生み出している現実がある以上、

『それとは真逆の売買を行う事でトータル的な収支をプラスにできる』

という「算段」と「理屈」は、一見は十分に成り立つように思えるかもしれません。

ですが、現実にそのような理屈が実際には成り立っていないパラドックスにおいては、実際の投資、トレードの際に生じている「取引コスト」の存在に視点を向ける必要があります。

この『取引コスト』は、株の売買などで言えば「取引手数料」であり、為替相場を対象とするFXであれば「スプレッド」にあたりますが、これらの詳細は以下の記事を併せて参照してください。

>投資、トレードにおける「取引手数料」と「スプレッド」について

トレードにおいて、レートの変動に伴う形で生じる「トレード損失」は、実際にレートが変動した範囲に伴う分のみであり、

・マイナス方向への10円分のレート変動 : 投資金額×10円分
・マイナス方向への100円分のレート変動: 投資金額×100円分

このような「投資金額×レート変動分」以上の損失が伴う事はありません。

ですが、取引手数料やスプレッドなどの「取引コスト」は、この「レート変動」とは無関係に、トレード(取引)を行うごとに生じていく形となります。

その上で、仮に「ローリスクハイリターンなトレードルール」を徹底的に追求した場合、レート変動の最小単位は相場によっても異なりますが、

・ほんの少しでもレートがマイナス方向に動いた時点で手を引く
(レート変動の最小単位が1円なら、1円のマイナス変動で損切りを行う)

というようなルールが、その前提における「究極的な形」という事になります。

よって、仮にレート変動の最小単位が「1円」なのであれば、1回1回の負けトレードにおけるレート変動に伴う損失が1円以上になる事は基本的にありません。

ですが、このようにレート変動に伴う損失を最低限に留める事が出来ても、その損失には、常に「取引コストに伴うマイナス(損失)」も上乗せされる形となります。

それこそ、相場の値動きは数秒単位、数分単位で変動があり、その大半の状況において、上昇と下降を繰り返していく傾向にあるのが実状です。

つまり、

・ほんの少しでもレートがマイナス方向に動いた時点で手を引く
(レート変動の最小単位が1円なら、1円のマイナス変動で損切りを行う)

このようなルールでトレードを行っていった場合、トレードを行う度、数秒単位、数分単位で、ことごとく「損切り」となっていく事にもなりかねません。

そこに輪をかける形で「取引手数料」や「スプレッド」などのコストが、1回1回のトレードごとに加わっていく事になれば「そのトータル的な損失も多大なものになってしまう」という事です。
 

「取引コスト」をいかにカバーするか。

大半の状況において、一定範囲の「上昇」と「下降」を繰り返していく相場の傾向上、

・ほんの少しでもレートがプラス方向に動いた時点で利食いを行う
・ほんの少しでもレートがマイナス方向に動いた時点で損切りを行う

このようなルールでトレードを行っていけば『小さな利益の積み上げ』や『レート変動に伴う損失の最小化』を極めて高い頻度と確率で徹底していく事ができます。

ですが、その高い頻度で行われるトレード(売買)ごとに、手数料やスプレッドが発生していけば、レート変動とは無関係なコスト(損失)で損益はマイナスになっていってしまうのが実状です。

それこそ、数秒単位、数分単位で生じる最小単位の小さな上下変動の度に「損切り」や「利食い」を行っていくようなルールでは、まず「取引コスト」によるマイナス(損失)をカバーしていく事はできません。

故に、ほんの少しでもレートが変動した時点で利食いを行うルールや損切りを行うルールでは、

・手数料負け
・スプレッド負け

という状況に陥ってしまうため、それを回避するために、多くのトレーダーは「一定範囲のレート変動を許容するルール」を定めてトレードを行っています。

言い方を変えれば「取引コストが存在」が、

・ハイリスクローリターンを徹底するトレード
・ローリスクハイリターンを徹底するトレード

このいずれのトレードを追求しても勝つ事ができないパラドックスを生み出しているという事です。

***

故に、投資やトレードで多くの人が負けている(損をしている)状況は『トレードにおける取引コストこそが、その元凶に他ならない』という見方も出来ると思います。

少なくとも「取引コストの存在」が、相場の世界で利益を上げる事を「困難」としている大きな要因の1つである事は、まず間違いないということです。
 

▼ 取引コストを避けられる、唯一無二のマーケット(市場)

その上で、投資、トレードにおける「取引コスト」は、実際に「売買」「トレード」を行っていく『マーケット(市場)』や、その取引に利用する『取引会社』によっても異なります。

当然、取引コストを小さくできるほど、実際の投資やトレードは「リスク」も低くなり、取引コストが大きくなれば、それだけ「リスク」も高くなります。

よって、その「取引コストに伴うリスクの大小」が実際の勝ち負け、長期的な損益に大きく影響を及ぼす事になるため、その投資環境の取引コストの把握は決して疎かにするべきではありません。

その時点でリスクの高いマーケットや取引会社を選んでしまうと、それらを選んでしまった事自体が投資やトレードを失敗に導く大きな要因にもなりかねないという事です。

***

ただ、この「取引コストが有利なマーケット」は、歴然とした答えが出ている部分であり、これに関しては『ビットコインを対象とするFX(証拠金取引)が圧倒的に有利』となっています。

ビットコインのFXは取引会社の選択と、その利用方法次第で「取引手数料」も「スプレッド」も避ける形でトレードを行えるため、取引コストをゼロ(無し)にする事ができるからです。

だからこそ、私はビットコインのFXをトレードの中心とした上で、自らのノウハウを継承していった「教え子」にあたる方々にも、ビットコインのFXを対象としていく事をお勧めしています。

例えば「株の売買」では、ほぼ全ての証券会社において「取引手数料」を徴収している状況にあり、また、為替相場を対象とするFXでは、ほぼ全ての取引会社が「一定のスプレッド」を設定しています。

つまり、株の取引では「取引手数料」の避けようがなく、為替(FX)の取引においては「スプレッド」の避けようが無いという事です。

対して、ビットコインにおけるFXにおいては、以下のような取引所を利用する事で、取引手数料も、スプレッドも実質的に「無いに等しい取引環境」を実現する事ができます。

bitFlyer(ビットフライヤー)
bybit(バイビット)

この2つの取引所は、いずれも「板取引」によって取引(売買)を行える取引所のため「スプレッド」は、ほぼ無いに等しく「取引手数料」の方も、以下のような好条件となっています。

・bitFlyer(ビットフライヤー)の取引手数料:無料(※)
・bybit(バイビット)の取引手数料 :-0.025%~0.075%

板取引というのは、そのサイトを利用しているユーザー同士の買い注文と売り注文が以下のような「板」と呼ばれる一覧に表示され、そこで売買が行われていく取引形式の事を言います。

為替相場のFXのように、売値と買値をサイト側が表示する形式の場合、サイト側が定める一定のスプレッド(価格差)が常に発生する形となりますが、この「板取引」であれば『売り手と買い手の注文価格が互いに寄り合っていく形』となります。

そのような性質上、その価格差(スプレッド)も必然的に狭まっていく形となり、実質的に「スプレッドが無いに等しい状況」で取引を行っていく事ができるわけです。

また『bybit(バイビット)の方は「注文の出し方」で手数料が変わる仕組みであり、手数料として表示した『-0.025%』というのは手数料が還元される事を意味しています。

(bybitの取引手数料)
・指値注文(金額を指定する形の注文)  : 注文数量 × -0.025%(0.025%の還元)
・成行注文(現在のレートで約定する注文): 注文数量 × +0.075%(0.075%の徴収)

つまり、指値注文で取引を行っていけば、手数料を取られるどころか「貰えてしまう」という事です。

ここで言及した「取引コスト」も含めて、ビットコインの相場がトレードにおいて有利な理由などは以下の記事で詳しく言及していますので、併せて参考にしてください。

>ビットコインの相場が投機(トレード)において有利な理由。

そもそもの「取引コスト」が存在しなければ『レート変動に伴う損失を徹底して最小限に押さえていく』という事も現実的に「可能」となります。

これが「可能」か「不可能」かで、トレードの方向性や、トレードルールの在り方や組み立て方などの「視点」を大きく変えらえる事はまず間違いありません。

株の売買や為替のFXでは「勝てなかったトレードルール」でも、大前提として「取引コストが無い」という条件であれば、十分に勝ち目を見出せるルールも数多く存在すると考えらるからです。

取引コストは1回1回の金額は小さいかもしれませんが、それが「ある環境」と「無い環境」とでは歴然とした違いがあります。

そういった視点でも、ビットコインのFXは、まだ多くのトレーダーが気が付いていない、極めて優位なマーケットである事は間違いありません。

これまで株や為替では稼げなかった人でも、その「歴然とした違い」が勝機を生み出す可能性も十分にありえると思います。

現状、株や為替のFXで思うような成果を上げられていないのであれば、一度、取引コストが無いトレード環境を体験してみてもいいんじゃないかと思います。

以上、本講義では『コツコツドカンのパラドックスの元凶』について言及させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、よろしければ併せて参照してみてください。


>株、為替(FX)、仮想通貨、どの相場が最も稼ぎ易いのか。

>ビットコインの相場が投機(トレード)において有利な理由。


本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。