私がツイッターやブログで公開しているトレード実績は『ビットコインFX』を対象として実現したパフォーマンスが大半を占めています。
ただ、レバレッジの利用を前提とするFX(証拠金取引)においては、まだまだ為替相場を対象とするトレードを行っているトレーダーの方が圧倒的に多く、
「ビットコインは値動きの変動が大きい分だけリスクが高い」 「値動きが激しいのでビットコインのFXは怖くて手を出せない」 |
このように考えているトレーダーも少なくないのが実情だと思います。
ただ、単純な「レート変動の大きさ」や「ボラリティ」でリスクを対比しているのであれば、それは『リスクの捉え方そのものに大きな誤りがある』と言わざるを得ません。
そして、為替相場を対象とするFXで負けているトレーダーや大きな損失を生んでいるトレーダーなどは、その認識の相違が「敗因」に繋がっている側面があります。
そこで今回は、為替相場を対象とするFXと、ビットコインFXの『リスクの違い』と『それを比較する在るべき視点』などを言及していきたいと思います。
「為替FX」と「ビットコインFX」のリスク比較。
私がビットコインFXで稼ぐノウハウを継承してきた方々に見られる傾向としても、為替相場を対象とするFXを長くやっていた経験がある人ほど、ビットコインの相場に「リスク」や「恐怖」を感じているところがありました。
そして、そのような人に共通している認識は、
値動きの大きさ(レート変動の大きさ) = リスクの大きさ |
というような考え方なのですが、実質的な「トレードにおけるリスクの大きさ」は『大きな損失を伴う可能性の高さ』で考える必要があります。
そのような前提においては為替相場を対象とするFXの方が、ビットコインのFXよりも遥かに「ハイリスク」なわけです。
ただ、実質的に為替相場を対象とするトレードがハイリスクとなるのは、
・テクニカル分析に重きを置いて短期的なトレードを行っている
・レバレッジを用いて運用資金以上のポジションを建てている
この「両方」か「いずれか」の条件を満たしている場合であり、このどちらかの条件を満たしている場合は、間違いなく為替相場を対象とするFXの方が高いリスクを伴う事になります。
そもそもFXやトレードにおける「リスク」は『損失を伴う事』であり、現実的に大きな損失を伴う可能性があるほど、そこに存在するリスクは「大きい」という事になります。
ただ、その前提の上での実際のトレードにおける「リスクの大小」は、
・レバレッジをどのように使うのか(どのくらい使うのか) ・どのような基準で損切りを行うのか(どのくらいの含み損を許容するのか) |
といった、トレーダー側の「基準次第」「ルール次第」となる部分の方が遥かに大きいのが実情です。
つまり、トレードにおける「リスクの大小」はトレーダー側がコントロールできるものであり、どこまでのリスクを抱える前提でトレードを行うのかで、実際のリスクは大きく変わってくるという事です。
ですが、大多数の負けているトレーダーは、その「リスクコントロール」を誤ってしまい、最終的に、資金の大半を失ってしまうような末路を辿っています。
いわゆる「追証」や「ロスカット」などの状況は、ほぼ例外なく『リスクコントロールを誤った結果』であり、そのような末路を辿るトレーダーは後を絶ちません。
ただ、多くのトレーダーがそのような末路を辿ってしまう理由は、
・合理的ではないレバレッジの利用 ・相場が戻る可能性への安易な期待 ・損失を確定させる事への抵抗に伴う損切りの躊躇 |
などであり、これらには「心理的な要因」もあれば「経験不足」から来るものもあるのが実情です。
ですが、これら全てに付随するものとしては『想定していた以上の相場の変動(値動き)が生じた事』が、そもそもの「決定的な敗因」となっているわけです。
「想定範囲を超える値動き」こそが『損失』の元凶。
いざレバレッジを用いてトレードを行っていく場合、大抵のトレーダーは実際にポジションを建てていく時点では、少なからず「相応のリスク」を想定しているものだと思います。
よって、そこから相場がポジションと逆方向に動いていった場合においても、
・変動範囲に伴う損失(含み損の目安) ・ポジションを保つ事ができる変動範囲(ロスカットの目安) |
などは、実際にポジションを建てているトレーダー自身がしっかりと把握しているはずです。
よって、そのような状況でポジションを保つトレーダーの心情は、
「まだ許容できる損失の範囲内で相場が戻る可能性がある」
「さすがにロスカットとなるところまで相場が動く事はないだろう」
といったものであり、このような「期待」を抱いているからこそ、そのようなトレーダーは「含み損」を抱えた状態でポジションを保ち続けます。
ただ、相場はそのような「淡い期待」をまんまと裏切る事も多々あるため、そのような『想定を超える値動き』が「想定外の損失」を生むわけです。
よって「本来はトレーダー自身が、そのリスクをコントロールできる」という前提の上では『想定外の値動きが生じる可能性(頻度)』こそが、実質的なリスクの大きさを左右する側面があります。
そのような視点で「為替」と「ビットコイン」の相場を比較した場合、為替相場の値動きと比較して、ビットコインの相場の値動きは、確かにの変動が激しい傾向にあります。
ですが「常にレート変動が激しい相場」であるからこそ、必然的に『値動きの想定範囲』も、その「日頃からの変動の大きさ」を前提に想定していく事になります。
その上で「値動きの変動範囲が大きい」という前提で値動きを想定していけば、ビットコインの相場で、その想定を更に超えるような値動きが生じる事はめったにありません。
対して、為替相場はビットコインの相場ほど、日頃の値動きの変動はそこまで大きくはありませんが、いざ「動く時」は大きく動き続ける傾向にあります。
ただ、そのような「急変動を伴う値動き」は年に数回のため、1日単位の短期的な視点で、日頃の値動きを捉えていく範囲では「さほど大きくは変動しない相場」という見立てが基本となってしまいます。
結果として、為替相場では、多くのトレーダーがそのような視点で「値動きの範囲」を小さく見立ててしまうため、その想定を上回る相場が訪れた際に、大きく負けてしまうわけです。
リスク = 想定を超える値動きとその頻度
少なくともデイトレ(デイトレード)と呼ばれる、数日、数時間周期の短期的な売買を行っているFXトレーダーの多くは、テクニカル分析に重きを置いた上で「レバレッジ」を利用しています。
まさに「値動きの推移(チャートの推移)」を分析していった上で、その後の相場の「動向」や「範囲」を予測しているわけです。
よって、実際に相場がその範囲内で動いている間は、その変動範囲を前提とするレバレッジ利用なども有効となるため「それなりの範囲」で勝てているトレーダーも多い傾向にあります。
ですが、そこで「想定の範囲を超える値動き」が続いた場合に、それまで積み上げた利益以上の損失を生んでしまっている傾向にあり、これが「多くの負け組トレーダーが辿っている末路」でもあります。
つまり、そのような負け方をしているトレーダーは、
・想定した範囲内の値動き(相場)では勝てている ・想定した範囲を超える値動き(相場)で負けている |
という事になるため、この視点における「決定的な敗因」は『テクニカル分析の想定を超える値動きの有無』に他なりません。
その上で、相場がテクニカル分析の想定を超えて動き続けるような場合、その相場には必ず何らかのファンダメンタル要因が強い影響を及ぼしています。
そして、そのような「ファンダメンタルの影響下にある相場(値動き)が生じる確率」や「頻度」が高くなるのは、間違いなく『為替相場』であり、この傾向はまず揺らぐ事も無いと思います。
各国の法定通貨におけるレート差が「為替相場」である以上、各国の定期的な経済指標の発表や要人の発言などによって、必ず一定の周期でファンダメンタルの影響下で動く相場が訪れるからです。
現に為替の相場は、そのような要因を引き金としたタイミングで大きく変動している傾向にあるため、その因果関係などは、もはや「疑いようも無い」わけです。
その根本は「ファンダメンタル要因」が相場に介入する確率と頻度。
よって、相場に大きな影響を与えるファンダメンタル要因(材料)が何も出てこない状況が続くような場合、その間の相場は、さほど大きくは変動しない傾向にあります。
そういった、ファンダメンタルの影響が弱い相場においては、統計や心理に基づく売買の「強弱」や「偏り」が相場の値動きを作るため、まさにテクニカル分析が有効な分析基準となるわけです。
ただ、ファンダメンタルの影響が強い相場においては、テクニカル分析の有効性は大きく薄れてしまう事になるため、為替相場を対象とした「テクニカル分析に基づくトレード」では、
・定期的なファンダメンタル要因(要人の発言、経済指標の発表など) ・突発的なファンダメンタル要因(戦争、テロ、政権交代など) |
これらによって「相場が急変する可能性(急激に大きく動き出す可能性)」を、しっかりと視野に入れていく必要があります。
とは言え、このような「ファンダメンタル要因に伴う値動きの変動」に関しては、テクニカル分析でそれを事前に予測するような事は、基本的にできません。
よって、テクニカル分析における値動きの想定を覆す「変動要因」が、市場に出てくる「頻度」および「確率」は『テクニカル分析に基づくトレードで大きな損失を伴う可能性』にそのまま結び付く事になります。
故に、テクニカル分析に基づく短期的なトレードを行っていく上では『ビットコインの相場よりも為替相場の方が遥かにリスクが高い』という事になるわけです。
▼ ビットコイン相場のファンダメンタル要因。少なくとも、ビットコインは「発行元が存在しない通貨」であり『通貨を売買する者同士がその価値を決めている』という点で、そのレートや価値を裏付けるものが何もありません。
※ツイッター公開トレード2019年7月~2020年12月時点のトレード実績 |
「為替FX」と「ビットコインFX」のリスク比較。まとめ
確かにビットコインの相場は値動きが激しい傾向にありますが「その変動範囲は常にテクニカル分析の範囲内」のため、そういう意味では「予想外の値動きが生じる事」は、めったにありません。
そして、その「大きな変動」が当たり前の相場でもありますので、常に、その大きな変動を前提とするトレードで稼いでいく事ができます。
対して為替相場は変動が小さい時と大きい時の差(緩急)が激しいものの、大半の相場においては、そこまでの大きな変動は伴わない傾向にあります。
故に、そのような相場からテクニカル分析によって想定される値動きの変動範囲は、どうしても「狭い範囲の値動き」が想定範囲になってしまう事になります。
そして、そのような狭い範囲の値動きでリターンを追及するからこそ、多くのトレーダーは運用資金に対して高い倍率のレバレッジを使ってしまうわけです。
そんな中で、いざ「想定を超える大きな値動き」がポジションと逆方向に生じた時には「高いレバレッジを使っていた分だけ大きな損失を生んでしまう」という状況に陥ります。
それこそ、高い倍率のレバレッジを使う必要があるのは、変動幅の小さい値動きからリターンを追及するからであって、値動きの変動が十分に大きければ、レバレッジを使う必要もありません。
ただ、為替相場における大きなレートの変動は、何らかのファンダメンタルが引き金となる場合がほとんどのため、テクニカル分析でそのような相場の予測は難しいのが実情です。
それであれば、日頃から大きく変動しているビットコインの相場をテクニカル分析で捉えていく方が遥かに合理的だと思います。
よって、
・テクニカル分析に重きを置いて短期的なトレードを行っている ・レバレッジを用いて運用資金以上のポジションを建てている |
このような条件で為替相場を対象にFXを行っているトレーダーは、非常にリスクの高いトレードを行っていると言わざるを得ません。
実質的なトレードの「リスク」を本質的に捉えるなら『ビットコインのFXの方が遥かにローリスク』という事です。
▼ 私がビットコインのFXを選んでいるもう1つの理由。加えて、為替相場のFXとビットコインのFXでは「取引コスト(スプレッド)」においても圧倒的な違いがあります。 |
以上、本講義では「為替相場を対象とするFXと、ビットコインFXのリスク」と、それを比較する「在るべき視点」について言及させて頂きました。
今回のテーマに関連する講義が幾つかございますので、こちらも是非、参考にして頂ければと思います。
>株、為替(FX)、仮想通貨、どの相場(市場)が最も稼ぎ易いのか。
>レバレッジの真実と、その「本当のリスク」について。
本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。