「投資、トレードの世界ではマインドコントロール(精神力)が重要。」
このような見解を述べている人(投資家、トレーダー)は決して少なくありません。
実際、どのような物事にも「精神論」にあたるものがほぼ例外なく存在し、その精神論を巡っては必ず「肯定派」と「否定派」に分かれるものだと思います。
そして、それはやはり「相場(投資、トレード)」の世界でも同じなのですが、これは相場の世界に限った話ではなく、基本的に『精神論は、見方(捉え方)によっては重要』というのが私の考えです。
ここでは、そんな「相場(投資、トレード)におけるマインドコントロールの重要性」について、言及していきたいと思います。
投資、トレードにおけるマインドコントロールの重要性。
私は世間一般的に言われるような『やる気になれば何でもできる!』といった、いわゆる「自己啓発的な精神論」はあまり好きではありません。
基本、そういうものは「理に叶っていない」と思うため、正直、肯定的には捉えられないという事です。
ですが、人間の「行動」や、その行動を作り出す物事の「決断(判断)」などは、基本的に「精神(心理)」から生じているものだと思います。
よって、いざそこを突き詰めれば、どのような物事においても、その意思決定に影響を及ぼす「精神」は、やはり「重要」と言わざるを得ません。
その点で言うと、投資、トレードにおいては、この「精神(心理)」こそが、その売り買いにおける意思決定に多大な影響を及ぼす傾向にあるため、その「コントロール」は、やはり必要不可欠だと思います。
そして、これも実際に多くの物事に共通して言える事ですが、やはり「感情」に流された意思決定や行動は、多くの場合において「よくない結果」を招く傾向にあります。
投資、トレードの際に「感情に流される」という状況は、言わば人間心理の傾向として沿った意思決定、行動を起こしてしまうような状況であり、、
「こういう時、多くの人はこういう感情を抱き、こういう意思決定をしてしまう。」
このような「人間心理の傾向(法則)に沿った行動」は、投資、トレードの際には多くの場合において致命的な結果を生んでしまう傾向にあるという事です。
その筆頭が『プロスペクト理論(別名、損失回避の法則)』と呼ばれる心理法則などに当たると思います。
この『プロスペクト理論』については別途「相場(投資、トレード)で損をする人、負ける人が多い理由」を考察した以下の記事で言及していますので、併せて参考にしてください。 |
この「プロスペクト理論」のザックリとした概略は、人間心理の傾向として、いざ生じた「利益」は、それをとにかく守りたい心理状態となり、逆に「損失」が生じた場合は、それをとにかく回避したい心理状態になるというものです。
この心理傾向がもたらす結果として、投資、トレードにおいては多くの人が「小さな利益」ばかりを追ってしまい、いざ負ける時は大きく負けてしまう傾向にあると言われています。
いわゆる「コツコツ勝ってドカンと負ける」の状況がこれにあたりますが、、その心理傾向から生じる「感情(心理)」に自らの意思決定や行動を委ねる事で、実際に多くの人が投資、トレードで「負けている」わけです。
故に、投資、トレードにおいては基本的に「感情的な判断に基づく売り買い」は避けるべきであり、その売り買いはあくまでも「理」に基づいて判断できなければなりません。
ここで言う「理」とは、自らが定めていく投資、トレードの売買における「基準」や「ルール」の事であり、その意思決定や判断はあくまでも、それらに基づいて行う必要があるという事です。
仮に感情に任せた売買が「理に適うもの」になるのであれば問題ありませんが、人間心理の傾向として、多くの場合はまず、そうはなりません。 よって、投資、トレードで「勝つべくして勝っていく」には、大前提として、長期的に勝つべくして勝ち続けられる「基準」や「ルール」が必要不可欠であり、それこそが投資、トレードで勝つための「理」に他ならないわけです。 |
「感情に任せた売買」ではなく「理に叶った売買」のみを徹底する。
よって、投資、トレードで勝つべくして勝ち続けるには「理に叶った売買」を行っていく必要があり、いかに有効性の高い「理」をそれに準じた基準、ルールとして『形』に出来るかが重要となります。
原則として、そのような「理に叶った売買」のみを徹底するべきであり、感情に身を任せてしまうような売買は徹底して避けなければなりません。
よって、
「大きな損失を生んでしまった直後、それを取り戻るために大きな勝負を仕掛ける。」
「膨らんでいく含み損を損切りする事なく、相場が戻るのを待つ。」
「含み益をまだまだ伸ばせるだろうと希望的観測で相場を静観する。」
このような状況判断は、いずれも「悲惨な結果」を招く可能性が高いという事であり、いずれも、その状況を踏まえて「冷静」に物事を判断しているとしても、結局のところ、損得勘定という「心理」に身を任せて売買の判断を行っているのと何ら変わらないと思います。
どんなにその判断を「冷静」に下しているとしても、結果として、その拠り所としているものが「損得勘定」や「期待」によるものになっていれば、それは「感情」に任せて売買を行っているのと同じだからです。
その後の相場の動きを「期待」によって待ち望む状況などは、まさに「感情的判断(損得勘定による判断)」で相場を見ているに等しいため、その時点で、その判断は「理に叶ったものにはなっていない」と言わざるを得ません。
相場が必ずしも自分自身が確立している理(基準、ルール)に沿って動くものではありませんが、自分自身の「期待」に沿って動くような都合のいいものではない事は明らかです。
ただ、ここで言う「理(基準、ルール)」にあたるものは、少なくとも十分な研究と検証によって、その精度を高められる余地があるものだと思います。
故に、投資家、トレーダーはその精度を高めるために日々、相場と向き合うべきであり、その上で精度の高い「理(基準、ルール)」を追求し、確立していく必要があるんです。
その上で、相場における売買は、いつ、いかなる時も「理」によって判断していくべきであり、決して、感情に流れた売買を行うべきではないという事です。 |
投資、トレードにおけるマインドコントロールの重要性。総括
投機家の最大の敵は自分の中にいる。投機家にとって最大の敵は無知、欲、そして感情である。感情をコントロールできない者はは絶対に利益を上げる事は出来ない。相場では生身の感情を殺し続け、事実、現実、理論から1ミリたりとも離れるな。 |
これはウォール街のグレートベアと呼ばれたジェシー・リバモアという著名な相場師の言葉ですが、彼の残す格言の多くは、まさに人間の「感情」を警戒して「理」を重んじる事を強調するものが非常に多いです。
それだけ投資、トレードの売買の判断において「感情(損得勘定、心理)を持ち込む事は危険」という事です。
故に、そこで自身が従うべきは、自らが打ち立てていく「理(基準、ルール)」でなければなりません。
投資、トレードにおいては常に感情を押し殺して「理」を選ぶ事のできる「冷静さ」が必要であり、それがいわゆる「マインドコントロール」に当たるものだと思います。
そして、その「冷静さ」の判断の先には、常に、自分なりに打ち立ている「理」が無ければならないという事です。
▼ その「理(有効な基準、ルール)」を追求していく2つの道筋。あとは日々の相場に対して、いかに、その「理(基準、ルール)」の有効性、優位性を高めていくかが投資家、トレーダーの明暗を分けていきます。
よって、投資、トレードにおける「有効なトレードルールの確立」においては、
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以上、ここでは「投資、トレードにおけるマインドコントロールの重要性」について言及させて頂きました。
今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、こちらも是非、参考にして頂ければと思います。
>投資、トレードで稼げるようになるほど大きくなる精神的ストレスの考察
本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。