投資、トレードにおいてトレーダーが伴っていく事となる「損失(リスク)」には、

・取引コストによる確定的な損失(リスク)
・レート変動による不確定な損失(リスク)

このような「確定的な損失」と「不確定な損失」が存在します。

前者は「取引手数料」や「スプレッド」など、一定の定められた損失が確定的に伴うもの、後者は、トレードを開始した後の「レートの変動」によって、その大きさなども変動する不確定なもの。

実際に多くのトレーダーが多額の損失を被っているのは、圧倒的に「後者」の『レート変動に伴う損失』であり、前者の『取引きコスト』による損失は、後者の損失ほどは大きくないはずです。

逆に『取引きコストに伴う損失の方が大きい』というトレーダーは、レート変動に伴う損失をほとんど出していない可能性が高いため、圧倒的に「勝てているトレーダー」だと思います。

また、取引手数料やスプレッドなどの「取引コスト」は一回一回のトレードでは微々たる金額ですから「取引コストはさほど気にしていない」というトレーダーも決して少なくはありません。

ですが、長期的な売買を行っているトレーダーは別として、短期的なトレードを行っているようなトレーダーは、この「取引コストに伴う弊害がいかに大きいものか」を認識できていない傾向にあります。

そして、それを認識できていないトレーダーほど、実際に「負けている傾向(勝てていない傾向)」のが実情です。

そこで、今回は『手数料、スプレッドなどの取引コストがゼロだったら』という仮定において、実際のトレードにどのような「違い」が生じる余地があるのかを言及してみたいと思います。

ちなみに、この『取引コストがゼロだったら』という話は、ただの「仮定」を前提とする空想話ではなく『取引コストがゼロのトレード環境を実現できるマーケット』は実際に存在します。

私が主にトレードの対象としている「ビットコインのFX(証拠金取引)」です。

よって、ここでお話ししていく内容は全て「机上の話」ではなく『ビットコインのFXであれば、全て、実際に実現できる内容』という前提でお付き合い頂ければと思います。

FX・トレードにおける「取引コスト」がゼロだったら。

そもそも多くのトレーダーが多額の損失を被っているのは『レート変動に伴う損失』は、

・レートがマイナス方向に変動する前であれば避けられる
・レートがマイナス方向に変動しても、すぐに手を引けば最小限に押さえられる

といった側面があり、実際はトレーダー次第で、そのリスクを「回避する事」もできれば「押さえる事」もできるものになっています。

もちろん、相場が、いつ、どのくらい動くのかの予測は容易ではないため「事前にこれを回避する」というのは現実的に難しいかもしれません。

ですが、実際のトレードでは一定のレート変動に伴う決済(手仕舞い)を自動で行う事もできるため、極端な話、最小の変動単位が1円の相場であれば、

「レートがマイナス方向に1円変動した時点でポジションを解消する(損切りを行う)」

という注文を事前に出しておけば、この「レート変動に伴う損失(リスク)」は、まさに「最小限」に押さえていく事ができます。

ただ、仮にそのようなトレードを徹底した場合に「弊害」となるのが『取引コストに伴う損失』であり、レート変動に伴う損失を1円に押さえたとしても、

・取引手数料に伴う損失
・スプレッドに伴う損失

これらが存在する限り、これらによって生じる損失は避けられません。

レート変動のリスクを押さえるトレードを徹底したとしても、取引コストによる損失をどんどん積み上げてしまうという事です。

▼ 株と為替(FX)は「取引コスト」を避けられない。

例えば多くのトレーダーがトレードの対象としている「株の売買」では、取引手数料をまず避ける事ができず、為替相場のFXでは「スプレッド」を避ける事ができません。

これらに対してビットコインのFXは「板取引」によって、スプレッドが無いに等しい取引環境でありながら取引手数料も利用方法次第では「無料」という取引所が存在します。

そのため、そのような取引所を使ってトレードを行っていく事で、実質的に「取引コストの回避が可能」となっているわけです。

「板取引」というのは、そのサイトを利用しているユーザー同士の買い注文と売り注文が以下のような「板」と呼ばれる一覧に表示され、そこで売買が行われていく取引形式の事を言います。

為替相場のFXのように、売値と買値をサイト側が表示する形式の場合、サイト側が定める一定のスプレッド(価格差)が常に発生する状況を避ける事はできません。

ですが、この「板取引」であれば『売り手と買い手の注文価格が互いに寄り合っていく形』となります。

そのような性質上、その価格差(スプレッド)も必然的に狭まっていく形となり、実質的に「スプレッドが無いに等しい状況」で取引を行えるという事です。

 
ただ、ここで言うような「取引コスト」がゼロであれば、変動レートによる損失を最小限に押さえていくトレードを徹底していった場合でも『取引コストに伴う損失は生じない』という事になります。

つまり「取引コスト」が存在しなければ「細かい損切り」や「細かい利食い」を行っていったとしても、

・手数料負け
・スプレッド負け

といった状況に陥ることはなくため、それだけでも、現実的にリターンを追及する事が可能になるトレードルールの「方向性」は多様化します。

まさに「取引コスト」によって、現実的なリターンの追及が「不可能」と考えられていたトレードルールでも十分に勝ち目が見えてくるという事です。
 

手数料負け、スプレッド負けの回避。

先ほども例に挙げた通り、仮にレートの最小変動単位が「1円」の相場において、

「レートがマイナス方向に1円変動した時点でポジションを解消する(損切りを行う)」

というようなトレードを徹底した場合に「取引コスト」が発生しなければ、このようなトレードを徹底する場合の損失(リスク)は「1円」という事になります。

このようなルールを徹底する限り、一度のトレード(売買)で1円以上の損失(リスク)を被る事は「無い」ということです。

その上で、実際に多くのトレーダーが損失を被っている「レート変動に伴う損失」は、レートがポジションとは逆方向に動いていく状況によって生じていきます。

その際、トレーダーの多くは「含み損」を抱えながら『そのリスクが更に高まっていくかもしれない状況』に不安とストレスを抱えながら、相場がポジション方向に戻る事を待ち続けるわけです。

その際、どこかでその含み損を確定させる行為が「損切り」にあたり、何らかの判断でそれを行う場合もあるわけですが「含み損を抱えている状況」は、

『その瞬間が損失を最小限にできるタイミングである可能性』
『現時点の損失で手を引けるのは、今が最後である可能性』

が「常」であり、それが「現実」となる事も少なくありません。

まして明確な損切りの基準を定めていないトレーダーからすれば、その含み損がやがて資金の全てをショートさせるまで膨れ上がる可能性もゼロではないのが実情です。

故に、そのような「含み損」は、それを抱えている事自体が「リスク」であり、そのようなリスクは、根本として「抱えずに済む」に越した事はありません。

少なくとも「含み損を徹底して抱えないようにするトレード」は、取引コストが存在によって実現が不可能だったものであり、取引コストが無ければ、その実現も「可能」となります。

そして、トレードにおいて「含み損を抱える続ける状況」を避けるようにすれば、実質的に「トレードに伴う不安やストレスを抱える事も無くなる」という事です。
 

「含み損」に伴う不安、ストレスの回避。

その上で、トレードにおける「利益(リターン)の追及」において、レートがプラス方向に変動していく場合の「含み益を伸ばしていく範囲」は、広げれば広げるほど利幅も大きくなります。

何より「徹底して含み損を抱えない」という条件でトレードを行い、ポジションを「保てる」という状況は「レートがポジション方向に進行している状況」を意味します。

つまり、徹底して含み損を抱えないトレードでポジションを保てる状況においては、更に利益を伸ばせる可能性に対する「期待」のみを抱えながら、ストレスフリーなトレードを行えるという事です。

とは言え、現実にそのようなトレードを行っていく場合には、

「レートがマイナス方向に動いた時点で即座に損切りを行う」
(レートがマイナス方向に動いた時点で即座にポジションを解消する)

といった前提の「損切りルール」を徹底しながら、

「レートがプラス方向に大きく動かない限り利食いをしない」
(レートがプラス方向に大きく動いた時点でポジションを解消する)

といった「利食いのルール」を前提にトレードを行っていく事になりますが、このような条件でトレードを行っていった場合、確率的には、かなりの頻度で「損切り」となってしまうのが実情です。

相場における値動きは、大半の状況において「一定範囲で上下を繰り返していく傾向」にあるからです。

その上で、これまで多くのトレーダーが参入していた、

・株のトレード
・為替のFX

などでは、このようなトレード条件で、取引手数料やスプレッドなどの「取引コスト」をカバーする事が難しく『リターンを追及する事自体が困難』というのが実情でした。

ただ、取引コストそのものを回避できる「ビットコインのFX」であれば、取引コストそのものを度外視したトレードでリターンを追及する事が可能となっているわけです。
 

取引コストが無いからこそ行える「リスクリワード」の徹底追及。

ただし「取引コストを度外視できる」とは言え、

・レートがマイナス方向に動いた時点で即座に損切りを行う
・レートがプラス方向に大きく動かない限り利食いをしない

このようなトレード条件で現実的に「リターン」を追求していくには、

・トレード勝率(勝ちトレードとなる確率)
・リスクリワード(負けトレードの損失に対する勝ちトレードの利益比率)

この2つを「リターンを生み出せる水準」に持っていく必要があります。

その上で、上記のうち、実際の数値を「確定的」にできるのは、後者の『リスクリワード』のみで『勝率』は決して確定的な数値にはできません。

少なくとも「リスクとリターンの対比条件(リスクリワード)」は、

・どこまで利益(含み益)を伸ばしてポジションを解消するか
・どこまで損失(含み損)を許容してポジションを解消するか

これらの利確、損切りの『ルール』を明確に定めていく事で任意の比率(リスクリワード)を「固定(確定)」する事が出来ます。

ですが「勝率」の方は、トレードを行っていった際の「相場次第」となってしまうため、向上の余地はあっても「数値(勝率)を固定する」という事は出来ないものです。

その上で、極端な形でルールを固定するなら『少しでもレートがマイナス方向に動いた時点でポジションを解消する』という前提において、レート変動の最小単位が1円なのであれば、

「レートがマイナス方向に1円変動した時点でポジションを解消する(損切りを行う)」

という損切りルールを定める事で「リスクリワードにおけるリスクの最小化」は実現できる事になります。

ただ「リターンの最大化」は実質的に青天井になってしまうため『リスクに対して何倍のリターンを追及するのか』という視点において、その範囲を「10倍」に設定したなら、

『10円の含み益が出た時点で利食い(利確)する』

といったルールが前提となります。

このようなリスクリワード条件を前提とする場合であれば、

・一回の勝ちトレードで10円の収支(プラス)
・一回の負けトレードで1円の損失(マイナス)

という事になるため、継続的なトレード勝率が「10%以上」であれば、理論上、収支はどんどんプラスになっていく事になります。

逆に、勝率が10%を下回ってしまう場合においては、損益はどんどん「マイナス」になってしまうという事です。

また、この「リスクリワードの条件」を、

『1円でもレートがマイナス方向に動いた時点で損切りする』
『100円の含み益が出た時点で利食いする』

このように「1:100(100倍)」としたなら、

・1%以上のトレード勝率を実現できれば損益はプラスになっていく
・トレード勝率が1%を下回ると損益はマイナスになっていく

という事になります。

このような考え方を前提に、

「リスクを最小限に押さえた上でのリターンの追求」
「そのリスクリワードに対して収支をプラスにできる勝率の実現」

これらをクリアできるトレードルールを確立する事ができれば、実質的に「含み損(リスク)」をほぼ抱える事なくリターンを追求していく事が可能になります。

まさに、含み損を抱えていく不安やストレスに悩まされる事もない、理想的なトレードの実現が可能になるという事です。
 

結論:理想的なトレードの実現が極めて「現実的」になる。

結論として、トレードにおける「取引コスト」が無いトレード環境であれば、実質的なトレードにおける「リスク(損失)」は、レート変動によるもののみとなります。

ただ、レート変動に伴うリスク(損失)は、損切りのルールの定め方次第で、そのリスク(損失)を最小限に押さえる事が可能なため「取引コストが無い」というだけで、

「リスクを最小限に押さえた上でリターンを追及できる可能性が格段に上がる」

というのが、1つの結論になると思います。

もちろん、だからと言って「勝てる」というほど相場の世界は甘くありません。

ですが「取引コストがあるトレード環境」と比べれば、勝てる可能性や有効なトレードルールを確立できる可能性は飛躍的に上がるはずです。

冒頭でもお伝えしたように、ここで言及した内容は、ビットコインのFX(証拠金取引)が、まさにそのトレード環境を実現できるマーケットとなっています。

取引コストの条件なども含めて、ビットコインのFXがトレード(投機)において有利な理由は別途、こちらの記事でも言及していますので、併せて参考にしてください。

>ビットコインの相場が投機(トレード)において有利な理由。

以上、本講義では『トレードにおける取引コストがゼロだったら』というテーマを言及させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、よろしければ併せて参照してみてください。


>株、為替(FX)、仮想通貨、どの相場が最も稼ぎ易いのか。

>ビットコインの相場が投機(トレード)において有利な理由。


本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。