株の売買や為替、仮想通貨などのFXトレードにおいては、

『勝率(勝っている確率)』

にあたる数字を「自らの成績(パフォーマンス)」として示している人が多い傾向にあります。

また、実際に「トレード」を行っていく場合においても『勝率』を過剰に意識してしまい「とにかく勝率を上げる事」に重きを置いてしまうトレーダーも少なくありません。

ですが、トレード1回1回の勝ち負けをカウントするのみの表面的な『勝率』は、そのトレーダーの「実際の稼ぎ」とは、実質的に無関係なものです。

そこで『勝率』と共に重要となるのが『リスクリワード』と呼ばれる、

・勝ちトレードの収益平均(および想定される収益の最大値)
・負けトレードの損失平均(および想定される損失の最大値)

これらをもとに計算できる「損益比率」であり、損失に対する収益の比率が高いほど、そのトレーダーが行っているトレードのリスクリワードは「良好」という事になります。

ただ、勝率を過剰に意識しているトレーダーほど、この「リスクリワード」を意識できていない傾向にあるのが実情です。

そこで、今回は『勝率とリスクリワードの関係』と、そこから判断する事ができる『長期的に有効なトレードルールの条件』などを言及していきたいと思います。
 

トレードにおける「勝率」と「リスクリワード」の関係。

例えば、以下のようなトレード成績を残している場合、

・100回中99回×1万円で合計99万円の利益を生んでいる
・100回中1回のトレードで100万円の損失を生んでいる

この場合のトレード全体の勝率は『99%』という事になりますが「損益のトータル」で言えば『1万円のマイナス収支で負けている』という事になります。

つまり、どんなにトレードの「勝率」が高いとしても「そのトレーダーがトータル的に稼いでいるか」は全くの『別問題』という事です。

よって、表面的な「勝率」にあたる数字は『それだけでは何の目安にもならない』という事であり、

・勝ちトレードの収益平均(および想定される収益の最大値)
・負けトレードの損失平均(および想定される損失の最大値)

これらをもとに計算できるリスクリワードの好条件が伴ってこそ、そのトレーダーやトレードルールの判断において『勝率』が「意味のある数字」となるわけです。

先ほどの例に挙げたトレード成績が、より多くのトレード回数によっても同様の勝率と損益比率によって、

・99%の勝ちトレードで平均1万円の収益を実現している
・1%の負けトレードで平均100万円の損失を生んでいる

このようになっていた場合、99%の勝率に対してリスクリワード(収益平均と損失平均の対比)は『1:100』という事になり、この条件では、トレード回数を重ねるほど損失が増えていく事になります。

つまり、勝率99%に対して、リスクリワードが1:100では、一時的に収支がプラスになる事はあっても、長期的には「まず稼ぐ事は出来ない」という事です。

実際に算出した「勝率」と「リスクリワード」に対して、そのトレードルールで長期的にリターン(利益)を生み出していく事ができるかどうかは以下のような計算式で求める事が出来ます。

    勝ちトレードの収益平均 × 勝率 - 負けトレードの損失平均 ×(100-勝率)

この計算式によって算出できた値が「プラス」であれば、理論上、そのトレードルールに沿ったトレードを長期的に継続すればリターン(利益)を生み出せると考えられます。

対して、この計算結果が「マイナス」の場合、そのトレードルールに沿ったトレードを長期的に行うほど、運用資金は減っていってしまうという事です。

ただ、この計算式に用いる「勝率」と「リスクリワード」は十分なトレード回数と期間を対象とした上で算出したものを対象とする必要があります。

数回のトレード回数や数日、数か月といった短期間の成績のみでは、勝率、リスクリワード、共に「偏った数値」を計算対象にしてしまう可能性があるからです。

リスクリワードと勝率の比率計算で分かるトレードルールの明暗。

よって「トレード」においては、勝率が高いからと言って長期的に「勝てる(稼げる)」とは限らず、また、勝率が低いからと言って長期的に「勝てない(稼げない)」とも限りません。

勝率が高くてもリスクリワードの損失比率が高ければ長期的な損益はマイナスとなっていく場合があり、勝率が低くても、それをカバーできるリスクリワードを実現できていれば問題なく「稼げる」からです。

だからこそ、トレードルールを確立していく際や、その有効性を判断していく際においては「勝率」のみに捉われるのではなく「リスクリワードを追求する視点」も、しっかりと併せ持つ必要があります。

勝率に対するリスクリワード、リスクリワードに対する勝率を相対的に捉えて「長期的に勝ち続ける事ができるトレードルールを判断していく必要がある」という事です。

ただ、そこで「勝率」のみに捉われているようなトレーダーは、ここで言う「リスクリワード」を無視する形で、勝率ばかりを高めようとしている傾向にあります。

それこそ、この世界で多いと言われる「コツコツ勝ってドカンと負けるトレーダー」にあたる人は、その典型例に他なりません。

勝率ばかりを重視するトレードを行うあまり、

・損失平均、および損失の最大値が極めて高い(ハイリスク)
・収益平均、おいび収益の最大値が極めて低い(ローリターン)

このような、極めて「損失比率の高いリスクリワード」を前提とするトレードを行っていく事となり、小さく積み上げていった利益を「一度の大負け」で吹き飛ばしているわけです。

ただ、この典型例にも見られる現実として、勝率を高めようとする行為は、リスクリワードの条件は低下させる傾向にあり、リスクリワードを追求する行為は勝率の低下させる傾向にあります。

例えば「リスクリワードの条件を向上させる」という場合、

・勝ちトレードの利益(リターン)を大きくする
・負けトレードの損失(リスク)を小さくする

この両方か、どちらかの条件を追求する必要があります。

ただ、これを実現していくには、必然的に、

・含み益(利益)を伸ばす範囲を広げる」
・含み損(損失)を抱える許容範囲を狭める

この両方か、どちらかを徹底していくしかありません。

ですが、実際の「トレード」では、少しでも利益(含み益)が出た時点でポジションを解消し、その時点でトレードを終了していけば、必然的に「勝率」は高められます。

同様に、含み損を抱える許容範囲を広げるほど「負けトレードとなる確率」を下げる事ができるため、

・含み益を伸ばそうとするほど勝ちにくくなる
・含み損を抱える許容範囲を狭めるほど負けやすくなる

このように『リスクリワードを追求する行為』は『勝率を低下させる行為』に、そのまま「直結」してしまうわけです。

逆に、これと同じ視点で「勝率」のみを高めるようとすれば、必然的に「リスクリワードの条件」は低下してしまう事になります。

つまり、ここで言及したような視点における「勝率」と「リスクリワード」は完全な「相反関係」にあるという事です。
 

リスクリワードと勝率の『相反関係』をいかに「攻略」するか。

ただ、実際に「トレードで稼ぐ」という上では、必ずしも、無理に「勝率」と「リスクリワード」の両方を追求していく必要はありません。

また「相反関係」の視点においても「どちらか」を追求する方が容易な傾向にあるため、情報商材などを介して公開されているものも含めて、世の中の多くのトレーダーが用いているトレードルールは、

・勝率を重視するトレードルール
(損失比率の高いリスクリワードを「高い勝率」でカバーする)

・リスクリワードを重視するトレードルール
(低い勝率を「利益比率の高いリスクリワード」でカバーする)

この「どちらか」に重きを置いたものになっている傾向にあります。

故に、勝率が5割以上というトレードルールのリスクリワードは損失比率が高く、収益比率が高いリスクリワードを実現しているトレードルールは、勝率が5割を下回っている傾向にあるのが実情です。

ただ、多くのトレーダーが追求している「トレードルールの有効性」は『長期的に稼ぎ続けられるかどうか』に他なりません。

よって、その「勝率」と「リスクリワード」において、

勝ちトレードの収益平均 × 勝率 - 負けトレードの損失平均 ×(100-勝率)

この計算式に基づく結果が「プラス」になれば、長期的な損益は十分にプラス(利益)になっていくと考えられます。

つまり、

「勝率が3~4割でもリスクリワードにおける利益比率が格段に高い」
「リスクリワードは損益比率がやや高めでも勝率は99%以上」

このようなトレードルールでも、実際に「稼ぎ続ける事」は十分に可能という事です。

とは言え、リスクリワードは利益比率が高いに越した事はなく、また、その上で勝率もより高いに越した事はありません。

故に、有効なトレードルールを追求していく際や、その有効性を判断していく場合においては

・5割以上の勝率
・利益比率が損失比率を上回るリスクリワード

この2つの条件を「最低ライン」としてクリアできれば『そのトレードルールは「有効」と考えてまず間違いない』という事です。

▼ 私が実現している勝率とそれに伴うリスクリワード

ちなみに私が確立しているトレードルールおける「勝率」は、以下のツイッターを介して行っている「公開トレード」で『年間通算で98%以上』を実現しています。

テクニカルトレードと統計心理学、管理人Yのトレード公開用ツイッター


こちらの公開トレードで実現している『9割以上の勝率』のみを目にした時点では「リスクリワードよりも勝率を重視しているトレードルール」をイメージされる人も多いかもしれません。

ですが、私がツイッターを介して主に行っているトレードルールでは、以下の通り、リスクリワードにおいても平均値、最大値、共に『利益比率』が『損失比率』を上回っています。

■レバレッジ無し(現物ポジション)
・利益水準~最大値:運用資金の1~10%(平均2~3%ほど)
・損失水準~最大値:運用資金の1%以下 (平均0.5%ほど)
■レバレッジ有り(4倍※ビットコイン)
・利益水準~最大値:運用資金の1~40%(平均5~10%ほど)
・損失水準~最大値:運用資金の1~5% (平均1%ほど)

レバレッジを用いる場合と用いない場合でリスクリワードも異なってきますが、いずれの場合においても、私のトレードルールは、

・5割以上の勝率
・利益比率が損失比率を上回るリスクリワード

この両方の条件をクリアできている事になります。

9割以上の年間勝率を実現しながら「損失比率に対して4倍以上の利益比率のリスクリワード」を実現できているトレードルールは「理論値」の上でも、私は目にした事がありません。

その上で、私のトレードルールにおける「勝率」と「リスクリワード」は、トレードルール上の「理論値」として示しているものでなく、ツイッターを介して行っている公開トレードを介して、

・年間通算9割以上のトレード勝率
・運用資金に対する1~10%、平均2~3%のリターン率
・負けトレードにおける具体的な損失額

これら全てを「リアルタイムな形で公開しているトレード結果」によって、実証し続けているという事です。

Twitterによる公開トレードの勝率、パフォーマンス一覧。

例えば以下では『レバレッジを用いたトレードで運用資金の10~40%のリターン率を実現したトレード実績』や『負けているトレードの損失額』なども、全てそのまま公開していますので、

「どのようなトレード経過で40%ものリターンを実現しているのか」
「どのような負け方で、どれくらいの損失が出ているのか」

といった詳細なども、併せて参考にしてください

2019年10月26日14:12分投稿ツイートによる公開トレード(損益:+315万円※+40%)
2020年04月01日18:08分投稿ツイートによる公開トレード(損益:+140万円※+20%)
2019年09月03日04:39分投稿ツイートによる公開トレード(損失:-52000円※-2%)
2020年08月12日01:06分投稿ツイートによる公開トレード(損失:-4000円 ※-0.5%)

とくに私の場合は性格的に

「とにかく負けたくない」
「できるだけ含み損を抱えたくない」

という心理傾向が非常に強いため、それがそのまま「勝率」と「リスクリワード」に現れているのかもしれません。

いずれにしても、私が確立しているトレードルールは「9割以上の勝率」を実現しているものの「コツコツ勝ちながらドカンと負ける事」を前提とするものではなく、

・リスクリワードの平均損益は4倍以上
・9割以上の勝率でリターンの水準とリスクの水準がほぼ同一
・レバレッジを用いる事で大きく勝つ事も可能

このような条件を実現し、それをツイッターを介した「公開トレード」によって実際に「実証している」という事です。

もちろん、運用資金の大きさや、より徹底されたリスクリワードの実現で、トレーダーとして私よりも稼いでいる人はたくさんいるはずです。

ですが、確立しているトレードルールの精度、有効性なら、トップクラスのトレーダーにも引けを取らないものになっているのではないかと思います。

 
以上、今回は『勝率とリスクリワードの関係』と、そこから判断する事ができる『長期的に有効なトレードルールの条件』などを言及させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、併せて参考にして頂ければと思います。
 
>私が年間80回の公開トレードで勝率98%を実現できている理由。

>バックテストの検証結果とトレードルールの有効性判断の考察。

>投資系情報商材、トレードツールが詐欺か本物かの見極め方。
 
本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。