株、為替(FX)、仮想通貨などの相場を対象とする「トレード」と呼ばれるものは大きなくくりで、以下のような「裁量トレード」と「システムトレード」に分類できます。

・裁量トレード:実際の売り買いを自分自身の判断に基づく形で自ら行っていくトレード
・システムトレード:予め組み込んだロジックをシステム化して自動的に売買を行っていくトレード

それぞれの定義は上記のようなものになるため、それぞれの大きな違いは「売買行為の自動化(システム化)を行っているかどうか」です。

その判断基準が「ファンダメンタル」であれ「テクニカル」であれ、それらを踏まえた判断による売買を自ら行っていくなら、それは『裁量トレード』に他なりません。

よって、実際に取引画面と向き合い、何らかの基準やルールに沿って、そこで実際に売買を行っているような投資家、トレーダーは全般的に「裁量トレード」を行っている事になります。

そのような売買の基準やルールをシステム化してしまい、それに沿った売買を自動で行っているような投資家、トレーダーは「システムトレード」を行っている事になるわけです。

その上で、ここでは裁量トレード、システムトレード、双方における「成功要因」「失敗要因」をそれぞれ言及してみたいと思います。

裁量トレードかシステムトレードか。

投資、トレードの世界は基本的(一般的)に「勝ち続けている人よりも負けている人、負け続けている人の方が多い」と言われています。

そして、その「勝てている人の比率」という点で言えば「システムトレード」をやっている人と「裁量トレード」をやっている人では、まず間違いなく「裁量トレードの勝ち組」の方が多いはずです。

要するに「システムトレード」を行っているような人は、裁量トレードを行っている人以上に、高い確率、比率で負けている可能性が高いという事です。

ただ、その理由は明白で、いざ「システムトレードに手を出す」という場合は、

・自らプログラムを組んで有効なロジックを組み込んだ自動売買システムを構築する
・既に出来上がっている自動売買システム(EA)を利用する

この2つのいずれかを選択する事となり、実際にシステムトレードを行う9割以上の人は後者の「既に出来上がっているシステム」を導入していく事になります。

自ら有効な売買のロジックを確立し、そのロジックを組み込んだプログラムを作れるような人は、ごく一部の「トレーダー兼エンジニア」のような人に限られるからです。

ですが、世の中に出回っている「自動売買システム(EA)」にあたるものは、残念ながら、その9割以上が「使えない(勝てない)もの」なのが実情です。

そのような「使えない自動売買システム(EA)」に頼ってしまう時点で、当然、大多数の人は「勝てない(稼げない)」という事になります。

とくに「情報商材」と呼ばれるものの範囲で、数万円ほどの金額で誰もが容易に手にできてしまうトレードツールなどは、そのほぼ全てが「無残な結果」に終わってしまっているんです。

そもそも、本当に「ほったらかし」で勝ち続けられるような自動売買システムが、たかだか「数万円」といった価格帯で、不特定多数の人が容易に入手できる形で販売されているはずがありません。

そもそも投資、トレードの世界は資金さえ増やせば、そこからの実質的なリターンは言わば青天井で増やしていけるのですから、そのような「本物のトレードツール」のようなものは、開発者や、その身内だけで独占的に利用していくのが「普通」だと思います。

それを自分自身に置き換えて頂いてもそうだと思いますし、そんな「打ち出の小槌」のようなシステムを、たかだか数万円で不特定多数の人にバラ巻くような事は絶対にしないはずです。

つまり、世の中に出回っている自動売買を前提とする「トレードツール」にあたるものは『そのほぼ全てが有効性に乏しい使えないツール(勝てないツール)でしかない』という事です。
 

容易に手に入ってしまう自動売買ツール(トレードツール)は99%が偽物。

現実として、いざ「システムトレード」に手を付ける人の大多数は「数万円」といったお手軽な価格帯で手に入ってしまう自動売買システムに頼るところをスタートラインにしてしまう傾向にあります。

ただ、そのような価格帯の自動売買システムで本当に「勝てるツール」を引き当てるのは、ある意味、宝くじを買うよりも確率が低い行為でしかなく、

・トレードツールそのものの購入代金
・そのトレードツールにつぎ込んでいく資金

この両方をリスクに晒し、そして無駄にしてしまう可能性が極めて高いのが実情です。

つまり、本当に有効な自動売買のシステムと巡り合うには、人知れずそのようなシステムを使って荒稼ぎしている本物のシステムトレーダーと知り合うか、そのようなシステムを自ら作り出すしかありません。

ですが、これらはどちらも容易に実現できるものではないため「システムトレード」で実際に「勝ち組」に入れる可能性、確率は「極めて低い」という事になります。

結論として、

・本物のシステムトレーダーと知り合うツテ
・本物の自動売買システムを構築する技術

これらを有していないような人が、投資、トレードの世界で成功するには「まずは裁量トレードで勝てるようになるしかない」という事です。
 

システムトレードで成功するには特別な「人脈」か「技術」が必要不可欠。

多くの人は、そのようなシステムを入手できるルートも無ければ、そのようなものを1から作り出す技術も有していません。

また、仮にその技術面の課題を外注などの形でクリアするとしても、そこに組み込んでいく「有効な売買のロジックの確立」が不可欠となります。

そして、そのような「有効な売買ロジック(基準)の確立」は、まずは『裁量トレード』を前提とする形で進めていくべきであり、いわゆる「システム化」はその後でも遅くありません。

ただ、ここで言う「裁量(トレード)」における解釈を、

裁量トレード = その人なりの感覚で行っていくトレード

このように捉えている人も多いようですが、これは裁量トレードの解釈(定義)として適切なものとは言えません。

例えば値動きそのものを分析していく「テクニカル分析」で何らかの規則性やルールを定めてトレードを行っていく場合などは「感覚的な判断」にあたるものを完全に排除できます。

対する「ファンダメンタル分析」などは、そのファンダメンタル要因の捉え方次第で「感覚」による判断部分が大きくなる傾向にあり、これも確かに裁量トレードの1つと言えるものです。

要するに、ここで言う「裁量トレード」にあたるものは、

・ルール化する事ができないトレーダーなりの感覚を含めた裁量トレード
・完全にルール化する事ができるトレーダーなりの感覚を排除した裁量トレード

このような2つのトレード手法に分類されるものであり、先立って言及した『システムトレード』は後者のようなルール化できる売買のロジックをシステム化し、その売買を自動化していく事に他なりません。

つまり、システムトレードにおいても裁量トレードにおいても「有効な売買のロジック(ルール)」が必要不可欠という事です。
 

いずれにも共通して必要不可欠な「有効な売買のロジック(ルール)」

その上で、ここで言うような「有効な売買のロジック」に辿り着く道筋も、以下の2つに大別されます。

・自ら研究と検証を重ねて有効なロジックを確立する
・既に確立されている有効なロジックを学び、モノにする

1つ目の道筋として挙げた「自ら有効なロジックを確立していく」という場合は、当然、相応の時間と労力、そして、それなりの資金を要していく状況はまず避けられません。

対して「既に確立されているロジックをモノにする」という場合、これはこれで「偽物のノウハウ」や、そのようなものを提唱しているエセトレーダーも非常に多いため、それを見極められる「目」や「判断力」が必要となるのが実情です。

何より「既に確立されているロジック」にあたるものは、

『それ以上の裁量(ルール)を一切加える必要が無いロジック』

でなければ無意味に等しく、その条件を実際にクリアできるものは「ほんの一握り」でしかありません。

少なくとも、そこに「自らの裁量」を新たに加えなければならない時点で、そのロジックは既に「そのロジックのみでは有効性に乏しい」という事ですから、そんなロジックには何の価値も無いと思います。

それこそ、そのロジックで勝つために必要な裁量が「感覚的判断」を前提とするようなものである場合、それは結局のところ「それを確立した人の感覚がベースのロジック」でしかないからです。

また、仮に「感覚的判断」を必要としないまでも「新たな基準やルールをそこに加える必要がある」という時点で、それは1から有効なロジックを確立する過程と何ら変わりません。

それこそ「移動平均線」や「トレンドライン」といった有名どころのテクニカル指標1つを取り上げても、そこに自分なりの「裁量」を加えて「有効なロジック」を作り出せる余地は十分にあります。

要するに「自分なりの裁量を加えなければならないロジック」という時点で、それはもはや「既存のテクニカル指標などをベースに1から有効なロジックを作り出す過程と何ら変わるものではない」という事です。

▼「裁量次第」と評されている投資系情報商材の価値。

それこそ「情報商材」として公開されているようなトレードノウハウなどは、その多くが批評サイトなどで「裁量次第では有効」と評されている傾向にあります。

ただ、率直に言って「裁量次第」という時点で、そのノウハウには1円の価値もなく、それが「裁量次第」なら、それはありとあらゆるテクニカル指標のどれを取り上げても「同じ話」です。

そのような視点で見るなら、むしろ「有名どころのテクニカル指標」の方が遥かに一定の有効性があるくらいだと思います。

更に言えば「情報商材」として公開されているようなトレードノウハウは、そのロジック(売買の基準となっているもの)が一切明かされていないものが多いため、

・その成り立ちや基準となっているものが全く分からないもの
・その成り立ち、計算式や、それらに基づく理論がしっかりと明白になっているもの

このどちらが1つの「指標」として有効なものに出来るかといえば、当然、その成り立ちがハッキリしているものの方が手の施しようがあります。

つまり「裁量次第」と言われているようなノウハウ(情報商材)には、実質的な「価値」は何も無いに等しく、とくにそのロジック(成り立ち)が不透明なものは更に「論外」だという事です。

システムトレード、裁量トレード、そのどちらにおいても必要不可欠となる「有効な売買のロジック(ルール)」は、

・自ら研究と検証を重ねて有効なロジックを確立する
・既に確立されている有効なロジックを学び、モノにする

このいずれかの道筋を辿って確立していく(モノにしていく)しかなく、あとは「選択」の問題になると思います。

それこそ私は前者の「自ら有効なロジックを確立していく道」を選び、実際に多くの時間と資金を要して、自分なりの有効なロジック(ルール)を確立してきました。

ただ、私からそのロジックを学び、それをモノにする形で私と同じように一定の成果を上げられるようになっているようなトレーダーも数多く存在します。

結果としてその「答え」に辿り着く事が出来るなら、その道筋は、どちらを辿っても「同じ」という事です。

その上で、私が「自ら確立した有効なトレード手法を第3者に提供している事」にも明白な理由がありますので、その辺りに興味があれば、以下の記事も併せてご覧になってみてください。

>私が自分自身のトレードノウハウを第3者に教える理由

 
ちなみにこのブログや私のメルマガなどでは「テクニカル分析を前提とする有効なトレード手法」という視点において、それを追求していくための方法論、また、その有効性を見極めるための基準などを数多く言及しています。

実際にどちらの道筋を辿っていくとしても、数多くの「お役に立てる講義」を展開しているはずですので、他のブログ講座、また、メルマガ講座の方も是非、併せて参考にしてみてください。
 

完全に1からそれぞれの「有効なルール」を追求し、確立していくための視点、考え方、その足掛かりになるものとしては、以下のような講座がありますので、併せて参考にして頂ければと思います。

>テクニカル分析の本質とは

>テクニカル分析の本質に基づく「本当に有効なトレードルール」の条件とは。

>ファンダメンタル分析の本質とテクニカル分析との併用について

 
以上、ここでは『有効な裁量トレードの条件とシステムトレードでは勝てない理由。』というテーマで、裁量トレードとシステムトレードについて言及させて頂きました。

本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。