相場(投資、トレード)の世界では「勝てている人」よりも「負けている人」の方が圧倒的に多い傾向にあります。

その上で、勝てている人には相応の要因(勝因)があり、また、負けている人にも相応の要因(敗因)があると考えて間違いありません。

ただ、この「投資の世界」において言えば、その敗因と勝因は完全に「表裏一体」であり、その要因をどちらの方向に向けられているかで勝ち負けが決まっているのが実情だと思います。

そして、更に言うなら、その「多数派」にあたる負けている人の要因(敗因)こそが大きな決め手であり、その要因(敗因)を回避できているどうかが勝ち負けを分けていると考えられるわけです。

では、その「表裏一体の要因」とは、具体的にどのようなものが考えられるのか。

ここでは、その「最終的な勝ち負けを左右している決定的な要因」について言及していきたいと思います。
 

相場(投資、トレード)で損をする人、負ける人が多い理由。

投資、トレードで実際に負けている人が多い理由として考えられる要因は決して1つに特定できるものではありません。

ですが、その「決定的な要因」にあたるものとしては、主に以下の3つに分類する事ができます。

・心理的要因:投資家、トレーダーの心理傾向による要因
・数学的要因:投資、トレードにおける数学的な確率論に基づく要因
・技術的要因:投資家、トレーダーのスキル等による要因

投資、トレードで負けている人、勝つ事が出来ていないような人は上記のいずれか、または、上記の全てが、その決定的な敗因になっているという事です。

対して、投資、トレードで勝ち続ける事ができている人は、ほぼ例外なく、これらの要因(敗因)の全てを何らかの形でクリアしていると考えられます。

言い方を変えるなら『これらの要因をいかに回避し、クリアするかで投資、トレードにおける長期的な勝ち負けが決まる』というわけです。

では、それぞれの要因(敗因)を1つ1つ、具体的に言及していきます。

多くの投資家、トレーダーを「負け」に導く心理的要因。

相場(投資、トレード)においては、相場が動けば動くだけ、その「値動き」に対して「利益」か「損失」のどちらかがどんどん膨らんでいくものであり、これがまさに『相場の仕組み』にあたるものです。

そして、その膨らみ続ける「利益」や「損失」は、原則として、資金を投じている側がいつでも自由に「止める」ことが出来ます。

一般的な「投資」で言えば決済(売却)、FXで言えば「ポジションの解消」によって、その時点の利益(含み益)や損失(含み損)を「確定」させる形で、相場から資金を引き上げられるわけです。

つまり、値動きに準じて「利益」と「損失」が膨らんでいく『仕組み』に対して『いつでも資金を引き上げられる自由』が与えられているという事です。

故に、それを行使していく「判断」には、必然的に投資家、トレーダー達の「心理」が介入していく事になります。

もちろん「それを行使していく判断」は各々の投資家、トレーダーがそれぞれ「自分なりの判断」で行っている事は間違いありません。

ですが、そのような損得が関わるような意思決定を下す人間心理には「統計的に見られる心理傾向(規則性)」が存在します。

その「資金を引き上げる意思決定」などに介入する心理傾向は『プロスペクト理論』と呼ばれるものであり、その理論に基づく意思決定の偏りが『負けてしまう人』を偏った形で生み出し続けているという事です。

この『プロスペクト理論』および『心理的な敗因』については、以下のブログ記事で、具体例などを挙げた形で詳しく抗議していますので、併せて参考にして頂ければと思います。

>プロスペクト理論と投資心理の関係について

ただ、この『心理的要因』は、その理論、理屈を理解し、それを逆手に取るような投資判断を下していく事が出来ないわけではありません。

実際に投資、トレードで勝ち続けているような人は、この心理傾向とは真逆の売買を行っているか、その心理傾向を制御するためのトレードルールを確立した上で、そのルールを厳守しているという事です。

そして、この『心理的要因』と相乗する形で、多くの投資家、トレーダーの敗因の1つとなっていると考えられるのが、追って言及する『数学的要因』です。
 

多くの投資家、トレーダーを「負け」に導く数学的要因。

これは主に為替相場や仮想通貨などの相場を対象にFX(証拠金取引)を行っているトレーダーが対象であり、いわゆる『レバレッジ』が元凶の要因にあたります。

そもそも『レバレッジ』は、リスクとリターンを相乗させて引き上げるものであるため『利益比率が上がる分損失比率もそのまま引き上げてしまう』というものです。

その上で、投資、トレードにおいては「利益」は実質的に幾らでも伸ばせるものですが、対する「損失」については『資金が尽きた時点』という「終着点」があります。

要するに利益を膨らませる事のできる範囲に限界はない事に対して、損失を膨らませる事ができる範囲には「限界がある」という事です。

一見、これは資金を投じていく投資家、トレーダー側にとって「有利な条件」のように思わるかもしれません。

ですが、これを「勝ち負け」を前提に考えるのであれば『勝ち』の方向に「終着点」は無い事に対して「負け」の方向にのみ、その終着点がある事を意味します。

その「終着点」に相場が到達した時点で、投資家、トレーダー側は資金が尽きてしまい、まさに「負け」が確定してしまうわけです。

故に「レバレッジを用いた売買」では、その使い方(倍率など)によっては「資金の全てを失ってしまうリスク」を平然と背負ってしまう可能性があります。

投資、トレードにおいて「運用資金の全てを失う事」は、もはや完全な「負け」を意味しますので、そのような状況はどうあっても避けなければなりません。

ですが「レバレッジの利用」は、実質的に「リスク(資金の全てを失う可能性)」の方を各段に高めてしまう事にります。

表面的に見れば、同じ倍率でリスクとリターンを引き上げているようでも、実質的な「勝ち負け」の観点で見れば、明らかな形で「負ける確率だけを高めてしまう」という事です。

この『レバレッジのリスク』および『数学的な敗因』については、以下のブログ記事で、具体例などを挙げた形で詳しく抗議していますので、併せて参考にしてください。

>レバレッジの真実と、その「本当のリスク」について。

レバレッジには、ここで言及したような致命的なリスクがあるにも拘わらず、大多数のトレーダーは、数学的な確率論から「負けて当然のトレード(破綻して当然のトレード)を平然と行っている傾向にあります。

ですが、これについては「無謀なレバレッジの利用」または「レバレッジの利用そのもの」を避けるだけで、実質的な「回避」が可能なものです。

ただ、こうして言及してきた『心理的要因』も『数学的要因』も、結局のところ最後に言及する『技術的要因』が、そもそもの元凶に他なりません。

つまり、この『技術的要因』こそが多くの投資家、トレーダーの「決定的な敗因」である可能性が高いという事です。
 

多くの投資家、トレーダーを「負け」に導く技術的要因。

この『技術的要因』は投資、トレードで勝つためのスキルとして考えられる有効な売買基準やトレードルールの有無などにあたります。

先立って言及した『心理的要因』も『数学的要因』も、そのような要因の存在を意識した上で、それぞれの要因を回避する事は決して難しい事ではありません。

ですが、これらの要因のみを回避したとしても、やはり投資、トレードで「勝ち続ける事ができるか」は『有効な売買のルールをモノにできているかどうかに左右される』のが実情です。

そして、十分に有効な売買のルールをモノに出来ているなら、先立って言及した「心理的要因」も「数学的要因」も、必然的な回避に至る可能性が高いわけです。

▼ 有効な売買の基準、ルールを確立するための2つの道筋

実際に有効な売買の基準やルールを確立していく工程に「近道」のようなものは無いに等しく、とにかくこれは地道にトライ&エラーを繰り返していくしかありません。

ですが、もし、それに近いものがあるとすれば、そのような自らの労力と時間を割いたトライ&エラーを避けて「既に確立されているスキル(ノウハウ)をモノにする事」だと思います。

つまり、この『技術的要因』をクリアする上では、

・自らの時間と労力を投じて有効な売買のスキルを確立していく道筋
・そのようなトライ&エラーを避けて既に確立されているスキルをモノにしていく道筋

このような2つの選択肢が存在するという事であり、前者には「時間」と「根気」が必要となり、後者には、本当に有効なものを選び出せる「判断力」が必要になります。

ただ、そのどちらの道を選ぶにしても、このブログの各講座や私のメルマガ講座の内容は、十分にお役に立てる情報を数多くをお届けしているものになっているはずです。

今回のブログ講座の内容に少なからず共感できる部分があったようであれば、是非、他のブログ講座や私のメルマガ講座も併せて受講してみてください

 
以上、本講義では相場(投資、トレード)で損をする人、負ける人が多い理由として考えられる「心理的要因」「数学的要因」「技術的要因」について講義させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、よろしければ併せて参考にして頂ければと思います。
 
>プロスペクト理論と投資心理の関係について

>レバレッジの真実と、その「本当のリスク」について

>テクニカル分析の本質に基づく「本当に有効なトレードルール」の条件について

>多くの人がテクニカル分析に基づくトレードで勝てない理由


本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。