投資、トレードには「リスクが伴う」と言われています。

確かに投資やトレードで実際に「損をする可能性」は否定できませんし、現実に「損をしている人」も多数、存在するのが実状です。

ですが、投資やトレードにおけるリスクが「ハイリスクなのか」と言えば、これは人によって見解が分かれるところではないかと思います。

ただ、この「リスクの考え方」についての見解の相違は、その人それぞれの「感覚」などによるものだけではなく、根本的な「リスクの捉え方」に相違がある側面も否定できません。

言うなれば、投資やトレードにおける『リスクの本質』を、本当の意味で理解できていない人が多いという事です。

そして、この『リスクの本質』を理解できていない人ほど、投資やトレードで、実際に「大きな損失」を伴っている傾向にあります。

投資やトレードで「勝つ事ができていない要因」の1つとして、その『投資やトレードにおけるリスクの本質や実体(正体)を理解していない事』が大いに関係しているわけです。

逆に言えば、その本質や実体(正体)をしっかりと「理解」できていれば、投資やトレードで「立て直しが図れなくなるレベルの過剰な損失を被る事」は無くなるはずです。

そういう意味では「リスクの本質と正体を理解する事」は、投資、トレードにおいて『最重要』といっても過言ではありません。

今回は、そんな『投資、トレードにおけるリスクの本質と正体』というテーマでお話ししていきたいと思います。
 

投資、トレードにおけるリスクの「本質」と「正体」について

そもそも「リスク」とは『弊害』および『弊害が生じる可能性』であり、投資、トレードにおける「弊害」は『損をする事』に他なりません。

ただ、あえて「リスクだけを抱えるような何かに手を出す」という人はいませんので「リスク」というものには必ず、それに対する「リターン」が存在します。

つまり、その「リターン」を追求するために「リスク」を受け入れるわけです。

その上で、ここで言う「リスク」は、実質的に以下の2つに分類する事ができます。

・リターンを追求する上で避けようがないリスク(弊害)
・リターンを追求する上で避ける事ができるリスク(弊害)

前者は、リターンを追求する時点で「確定的となるリスク」であり、後者はリターンを追求する上で「避けられる余地があるリスク」を意味します。

例えば「競馬」などのようなギャンブルの場合、リターンを追求するには「馬券」を買う必要があり、その馬券を購入するめの代金は、少なくとも、馬券を買う時点で「確定的なリスク」となるものです。

どんなにその馬券が「的中する」という自信を持っていても、ひとまずは「確定的となるリスク」を受け入れる必要があり、リターンを追求する上で、そのリスクは避けようがありません。

また「事業」などにおいても『飲食店を出店する』という場合、先立つ出店の際に必要となる準備費用は、金額を調整できる余地はあっても、避ける事はできないため、これも「避けようがないリスク」に該当します。

ただ、実際にお店を開店してからの店舗家賃や人件費などは「お店を辞める(閉める)」という選択を辿れば「避ける事」が出来るため、これは『避けられるリスク』にあたります。

その上で「投資」や「トレード」における『リスク』が、どちらに該当するのかというと、これは大抵の場合、両方に該当します。

つまり、投資、トレードにおいては、

・利益を追求する上で避けようがない損失
・利益を追求する上で避ける事ができる損失

この2つの性質を帯びたリスクが「両方、存在する」という事です。
 

投資において「避けられるリスク」と「避けようがないリスク」

まず、投資、トレードにおける「リスク」は実質的に、以下の2つに分類できます。

・レートの変動によって生じていく損失(含み損、トレード損失)
・レートの変動とは無関係に生じる損失(手数料、スプレッドなど)

前者は、投資後のレートの変動があって初めて生じるため、これは実質的に『避けようがあるリスク』に該当します。

対して、レートの変動とは無関係に生じる「取引手数料」や「スプレッド」といった『取引コスト』は、基本的に避ける事が出来ません。

つまり、投資やトレードを行う際に「確定的」となるリスクは、取引手数料やスプレッドなどの取引コストのみであり、そこからのレート変動に伴うリスクは意図的に「避けられる」という事です。

取引手数料、スプレッドについてや、これらの「違い」については以下の記事で詳しく言及していますので、併せて参考にしてください。

>投資、トレードにおける「取引手数料」と「スプレッド」の違い

もちろん、レートの変動そのもの「止める事」や「操る事」は不可能です。

ですが、レートがマイナス方向に変動する前の段階で投資資金を引き上げてしまえば、当然、その取引(売買)における「損失」は1円も生じません。

加えて、投資、トレードにおいては、一定のレート変動があった時点で、強制的(自動的)に投資資金を引き上げてしまう事もできます。

つまり、レート変動に伴うリスクは、投資家自身、トレーダー自身が『リスクの範囲を自主的にコントロール(調整)できる』という事です。

ただ、世間的に言うところの「投資、トレードにおけるリスク」は、避けようのない取引手数料やスプレッドなどの事ではなく『レート変動に伴うリスク』の事を言っている場合がほとんどです。

確かに、株、為替、ビットコインなどの相場は短期的にも長期的にも大きく変動しています。

ですが、その変動の範囲や大きさが、そのまま投資やトレードにおける実際のリスクに結び付くわけではありません。

要するに、投資、トレードにおける「リスク」がハイリスクとなるかは、その投資家次第、トレーダー次第であり、実際は『リスクを限りなく低くする事も可能』という事です。

▼ ハイリスク、ローリスクは投資家、トレーダー次第。

私が主にトレードの対象としている「ビットコイン」を例に挙げますが、BTCの日本円レートが100万円(1BTC=100万円)の時に「現物買い」の投資を行うとします。

その時、投資後におけるレートが1円でも下がってしまった時点で、ビットコインを「売却」すれば、レート変動に伴う損失は1円のみで、それ以上の損失が生じる事はありません。

これはビットコインに限らず、トレードの際は一定範囲のレート変動に伴う決済(売却)を、予め金額を指定する形で自動的に行う事ができるようになってます。

つまり「予め指定した金額以上のレート変動に伴う損失は避けられる」という事であり、その投資行為におけるリスクの範囲は自主的に『制限できる』という事です。

実際のビットコインの相場の傾向としては1円単位でレートが動く事は稀で、大抵は数十円、数百円単位で動きますが、そのようなレート変動に伴う損失は最小限に留められるという事です。

ただ、ここで言うような「リスク」をあえて『高める』という場合、そこには「相乗して高められるリターンが存在するのが普通」だと思います。

リスクを高めた分だけリターンも大きくなるような状況でなければ、リスクを高めるメリットが「何も無い」からです。

ですが、投資、トレードにおける「レート変動に伴うリスク」に関しては、その範囲を広げる事で、より多くの損失が生じる可能性を高めるものの「リターンも大きくなる」という事はありません。

つまり『リスクを高めてもリターンが大きくなるわけではない』という事です。
 

「リスクのみ」をあえて高めるメリットと必要性。

ここまでの話のみを踏まえた上で、投資やトレードの経験が全く無いような人の視点では『あえてリスクだけを高める必要(意味)はないのではないか』と思われるのが率直なところかもしれません。

ですが、実際に投資やトレードをやっている人の大半は「レート変動に伴うリスクを抱えていく前提」で投資やトレードを行っている傾向にあります。

そして、その範囲(大きさ)は「運用資金の大半に相当するリスク」というケースも決して珍しくはありません。

事実、そのような大きなリスクを背負ったトレーダーが「大きな損失」を現実に被ってしまう事になり、実際に資金の全てを失うような「大敗」を喫しているわけです。

では、何故、あえて大きなリスクを抱えるような前提で投資やトレードを行い、現実に大きな損失を被る投資家、トレーダーが後を絶たないのか。

それは、ある程度のリスクを「許容」しなければ勝てない(稼げない)からであり『そのような前提のルールで投資やトレードを行っている人が多いから』に他なりません。

そして、そのようなトレードを行っているトレーダーが「ある程度のリスクを許容しなければ勝てない要因」は、

『手数料やスプレッドなどの避けようがないリスク』
『それを踏まえた相場における値動き特性』

この2つに起因しているのが実状です。

実際に投資やトレードを経験している人なら分かると思いますが、相場における値動きは、大半の局面において「一定範囲の上昇と下降を繰り返す傾向」にあり、これは「あらゆる相場の共通点」でもあります。

数秒間、数分間といった短時間の間でも、一定範囲の値動きの上下が常に存在するという事です。

このような「値動きの特性」から『極端にリスクの範囲を狭めたトレードルール』では、トレードを行う度に「小さな損失」を次々と積み上げていく事にもなりかねません。

そこに輪をかける形で「取引手数料」や「スプレッド」などのコストが、1回1回のトレードごとに加わっていく事になれば『トータル的な損失も多大なものになってしまう』という事です。
 

「チリ」のような損失も、やがては「山」となる。

大半の状況において、一定範囲の「上昇」と「下降」を繰り返していく相場の傾向。

その中で、取引ごとに生じていく「コスト」が存在する以上、それらをカバーしながらリターンを追求するには、ある程度のレート変動に伴うリスクを許容していくしかありません。

だからこそ、世の中の大半のトレーダーは、

「一定範囲のレート変動に伴う含み損は許容する(抱え続ける)」

という事を前提に、何らかの基準を前提とした「損切りのルール」を定めてトレードを行っています。

その「損切りのルール」に準じたリスクを背負いながら、投資やトレードを行っているという事です。

ですが、そのような「本来であれば避けられるリスクを許容せざるを得ない状況」のそもそもの元凶は、他でもない『取引コスト』に結び付いています。

つまり、投資、トレードにおける「リスク」の元凶は『取引コスト』の方にあり、多くの人が「リスク」と捉えている「レート変動に伴うリスク」は実際は『避けられる』わけです。

ですが、実際にリターンを追求するには、その「リスク」をある程度は許容する必要があり『その許容範囲を定める「損切りルールの有効性」が、最終的な勝ち負けを大きく左右している』という事です。

故に、投資やトレードで多くの人が負けている(損をしている)状況は、まさに『避けられないリスク』に該当する「取引コスト」こそが、その『元凶』という見方も出来ると思います。

少なくとも「取引コストの存在」が、相場の世界で利益を上げる事を「困難」としている大きな要因の1つである事は、まず間違いないということです。

▼ 取引コストを避けられる、唯一無二のマーケット(市場)

その上で、投資、トレードにおける「取引コスト」は、実際に「売買」「トレード」を行っていく『マーケット(市場)』や、その取引に利用する『取引会社』によっても異なります。

当然、取引コストを小さくできるほど、実際の投資やトレードは「リスク」も低くなり、取引コストが大きくなれば、それだけ「リスク」も高くなります。

よって、その「取引コストに伴うリスクの大小」が実際の勝ち負け、長期的な損益に大きく影響を及ぼす事になるため、その投資環境の取引コストの把握は決して疎かにするべきではありません。

その時点でリスクの高いマーケットや取引会社を選んでしまうと、それらを選んでしまった事自体が投資やトレードを失敗に導く大きな要因にもなりかねないという事です。

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ただ、この「取引コストが有利なマーケット」は、歴然とした答えが出ている部分であり、これに関しては『ビットコインを対象とするFX(証拠金取引)が圧倒的に有利』となっています。

ビットコインのFXは取引会社の選択と、その利用方法次第で「取引手数料」も「スプレッド」も避ける形でトレードを行えるため、取引コストをゼロ(無し)にする事ができるからです。

だからこそ、私はビットコインのFXをトレードの中心とした上で、自らのノウハウを継承していった「教え子」にあたる方々にも、ビットコインのFXを対象としていく事をお勧めしています。

例えば「株の売買」では、ほぼ全ての証券会社において「取引手数料」を徴収している状況にあり、また、為替相場を対象とするFXでは、ほぼ全ての取引会社が「一定のスプレッド」を設定しています。

つまり、株の取引では「取引手数料」の避けようがなく、為替(FX)の取引においては「スプレッド」の避けようが無いという事です。

対して、ビットコインにおけるFXにおいては、以下のような取引所を利用する事で、取引手数料も、スプレッドも実質的に「無いに等しい取引環境」を実現する事ができます。

bitFlyer(ビットフライヤー)
bybit(バイビット)

この2つの取引所は、いずれも「板取引」によって取引(売買)を行える取引所のため「スプレッド」は、ほぼ無いに等しく「取引手数料」の方も、以下のような好条件となっています。

・bitFlyer(ビットフライヤー)の取引手数料:無料(※)
・bybit(バイビット)の取引手数料 :-0.025%~0.075%

板取引というのは、そのサイトを利用しているユーザー同士の買い注文と売り注文が以下のような「板」と呼ばれる一覧に表示され、そこで売買が行われていく取引形式の事を言います。

為替相場のFXのように、売値と買値をサイト側が表示する形式の場合、サイト側が定める一定のスプレッド(価格差)が常に発生する形となりますが、この「板取引」であれば『売り手と買い手の注文価格が互いに寄り合っていく形』となります。

そのような性質上、その価格差(スプレッド)も必然的に狭まっていく形となり、実質的に「スプレッドが無いに等しい状況」で取引を行っていく事ができるわけです。

また『bybit(バイビット)の方は「注文の出し方」で手数料が変わる仕組みであり、手数料として表示した『-0.025%』というのは手数料が還元される事を意味しています。

(bybitの取引手数料)
・指値注文(金額を指定する形の注文)  : 注文数量 × -0.025%(0.025%の還元)
・成行注文(現在のレートで約定する注文): 注文数量 × +0.075%(0.075%の徴収)

つまり、指値注文で取引を行っていけば、手数料を取られるどころか「貰えてしまう」という事です。

ここで言及した「取引コスト」も含めて、ビットコインの相場がトレードにおいて有利な理由などは以下の記事で詳しく言及していますので、併せて参考にしてください。

>ビットコインの相場が投機(トレード)において有利な理由。

リスクの本質と正体。総括

リスクはあくまでも「リターンを追求する事によって生じる弊害」であり、重要なのは、まず、その「実体」を『理解』する事です。

そこに存在する『避けようのないリスク』と『避けようがあるリスク』および『コントロールが可能なリスク』を理解し、その上で、現実的にどのくらいのリスクがそこに伴うのか。

少なくとも、投資やトレードにおいては「取引コスト」が『確定的なリスク』となり、それを踏まえた上で許容する「レート変動の範囲」が、実質的な「リスクの最大値」を左右していく事になります。

ただ、実際に「勝つ事(稼ぐ事)」が出来ていないトレーダーほど、自分自身がトレードを行っているマーケットの「取引コスト」や、トレードルール上の「リスクの範囲」を理解できていません。

その点において、今回の講義で言及してきた投資、トレードにおける「リスクの本質」と、その実体(正体)が見えていれば、

・リスクが高いマーケット
・リスクが高いトレードルール

これらの判断も的確に行えるのではないかと思います。
 

ただ、そもそもの「取引コスト」が存在しなければ、その分だけ『レート変動に伴うリスクを許容せざるを得ない範囲』も最小限に押さえていく事が「可能」になります。

それだけでもトレードで「勝てる可能性」は格段に引き上げられるため、その点において、現状、最も有利なマーケットは間違いなくビットコインのFXに他ならないという事です。

 
以上、本講義では『投資、トレードにおけるリスクの本質と正体』というテーマを言及させて頂きました。

今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、よろしければ併せて参照してみてください。


>株、為替(FX)、仮想通貨、どの相場が最も稼ぎ易いのか。

>ビットコインの相場が投機(トレード)において有利な理由。

>レバレッジの真実と、その「本当のリスク」について。


本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。