FXとバイナリーオプションを比較し、それぞれのメリット、デメリットを言及しているようなサイトを数多く見かけますが、そのようなサイトは「バイナリーオプションの方を推奨している傾向」にあります。
ですが、その背景にある実情としては、
・FXよりもバイナリーオプションの取引業者の方が紹介報酬の単価が高い ・FXよりも「未経験者」が圧倒的に多いためメリットを強調しやすい |
このような要因から、広告収入(アフィリエイト報酬)を稼ぐ目的で運営しているようなサイトは、そんな「未経験者」をターゲットにバイナリーオプションを勧めているのが現実です。
それこそ、FXで勝てなかった人、FXさえ未経験という人にとっては、それぞれのメリット、デメリットも、いま1つピンと来ない可能性が高いため「言い回し次第」で、どちらにも解釈できてしまいます。
現にそのような人達が、そういったサイトにバイナリーオプションを勧められ、
「FXよりもバイナリーオプションの方がシンプルで分かり易い。」 「FXでは稼げなかったけど、バイナリーオプションなら稼げるかもしれない。」 |
このように考えてしまう傾向にあるわけです。
ただ、実際の「現実」を言えば、バイナリーオプションはFXよりも遥か「難易度」が高いため、FXで勝てていないような人がバイナリーオプションで勝つ事など、まず「不可能」と言っていいと思います。
そこで、本講義では『バイナリーオプションが従来のFXよりも圧倒的に難易度が高い理由』を解説していきたいと思います。
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バイナリーオプションの難易度が高い理由をしっかりと理解するには、そもそものバイナリーオプションの仕組みとルールの理解しておく必要があります。
もちろん、これは従来の「FX」においても同じ事が言えますから、それぞれの仕組み、ルールの違いについては以下の記事を併せて参考にしてください。
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FXよりもバイナリーオプションの難易度が高い理由とデメリットについて。
バイナリーオプションは、国内の業者と海外の業者で、若干、ルールや仕組みが異なるものの、どちらにも共通して言える事は『一定時間内の相場の変動を予測する』という点です。
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・国内業者:特定の時刻に相場が予測したレートを上回っているか下回っているか ・海外業者:特定の時刻に相場が現在レートより上がっているか下がっているか |
これが国内、海外のバイナリーオプションにおける、国内業者、海外業者の主なルールであり、この「上か下か」の予測が、そのまま「勝ち負け」を左右します。
このように「特定の時刻に相場がどうなっているかで勝ち負けが決まる」という点が、従来の「FX」とは最も大きく異なる部分であり、実はこれが『難易度を高くしている最大要因』でもあるわけです。
確かにFXでも、相場が「上昇」と「下降」を予測しますが、その勝ち負けにおいて「時間」や「時刻」といったものは実質的に「無関係」なため、そもそも、そこを意識する必要もありません。
つまり、バイナリーオプションで『勝つため』の予測には「時間」や「時刻」といった要素まで併せて予測し、それを「的中」させる必要があります。
ですが、従来のFXでは、とくに「時間」や「時刻」を意識する理由もなければ、その必要性もないため「そこを度外視して相場を予測できる」という事です。
この「違い」は非常に大きく、むしろ「相場を予測する上での難易度」という点では『歴然とした違いが生じる部分』と言わざるを得ません。
そもそも「相場(値動き)」を予測するための手段として確立されている「テクニカル分析」のあらゆる指標、インジケーター、法則などは、
・一定の時間内で相場がどう動くのか ・特定の時刻までに相場がどう動いていくのか |
このような「時間」や「時刻」といったものを含めた前提で相場を分析し、予測するようなものには「なっていない」からです。
既存のテクニカルに「時間」や「時刻」を制限する『原則』は存在しない。
従来のFXに限らず、そもそもの「相場の予測」においては、時間や時刻という「縛り」を前提とする理由も必要性が無いため、あらゆる「テクニカル」の原則は、そこを度外視しています。
長年、多くのトレーダーによって研究されている「テクニカル分析」のほとんど(というよりほぼ全て)が「時間」という概念を前提に相場を予測するものにはなっていないという事です。
ですが、バイナリーオプションで「勝つため」には、時間や時刻を絞り込み、その「範囲内におけるピンポイントな相場の予測」が必要不可欠になります。
ただ、従来のテクニカル分析で、そのような「時間の範囲を限定した値動きの分析(予測)」を行う事は「限りなく不可能に近い」のが実情です。
故に、相場の現実やテクニカル分析の現実を知っているような熟練のトレーダーほど、バイナリーオプションには、まず「手を出そう」とは考えません。
その仕組みやルールを認識した時点で、その条件で「勝つ」か「負ける」かは、ほぼ「運」に左右されてしまう事になるため「ギャンブルのような行為になってしまう事」が目に見えているからです。
少なくとも、従来のFXであれば、値動きの変動に応じて任意でいつでも売買を行えるため、
・損失(負けの金額)を最小限に押さえる ・リターン(勝ちの金額)を最大限まで伸ばす |
といった事が、その仕組みやルール上、自らの判断で自由に行える形になっています。
結果として「トータルの損益」をプラスにするべくしてプラスにしていく事が可能なため、FXでは『相場の予測に準じて勝つべくして勝ち続ける事も可能』になるわけです。
ですが「バイナリーオプション」は、大抵の場合は「掛け金がそのまま2倍前後になるか、全てを失うかの勝負」を『強要』されます。
つまり、FXのように値動きの変動に準じて、任意で損失を最小限にする事もできなければ、その利益を最大限まで伸ばしていく事もできないわけです。
バイナリーオプションは「相場を対象としたギャンブル」に過ぎない。
実際のところバイナリーオプションでは、負けた場合は掛け金の全てを失いますが、勝った場合に掛け金が2倍になるケースは稀で、大抵は、1.8~1.9倍ほどのリターン率が基本となっています。
また、2倍以上のリターン(ペイアウト率)があるところは、そもそもの取引条件が不利になっているはずであり、どちらにしても利用者に不利な条件が必ず設定されているわけです。
よって、ルールや仕組みは単純に「2分の1の確率による勝負事」に見えますが、必ず業者側が何らかの形で『確率的なアドバンテージ』を取れるようになっています。
そこで利用者側が「勝ち続ける」ためには、やはり相場を「予測」する精度を高めるしかありません。
ですが「時間」や「時刻」といった概念を含めての相場の予測は『従来のFXで勝つための相場の予測よりも遥かに難易度が高い』のが現実です。
故に、バイナリーオプションは、
・時間、時刻を含めて相場の予測は極めて難易度が高い ⇒ 従来のテクニカル分析で時間を交えたピンポイントな予測は困難 ・FXのように損失の最小化、利益の最大化を図る事もできない ⇒ 単純な2分の1の確率論では必ず「業者側」が有利になる |
といった点で、値動きを予測する難易度も高い上に、損益をコントロールする事もできないため、実質的には「相場の値動きを利用したギャンブル」とほぼ変わらないわけです。
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それでも「バイナリーオプションで勝ちたい(稼ぎたい)」という場合は、従来のテクニカル分析のみを頼りにする形では「難しい」のが現実のため、
・一定の時間内で相場がどう動くのか ・特定の時刻までに相場がどう動いていくのか |
これらを分析できるような「より高度なテクニカル分析」を追及していく必要があります。
ですが、相場の上昇と下降を予測するだけのFXでも、多くの人が「負けている」のですから、そこを「時間」という概念が加われば、その「予測」の難易度が更に上がる事は「明白」と言わざるを得ません。
確かに勝ち負け「仕組み」は従来のFXよりもシンプルかもしれませんが、実際に稼ぐ事の難易度や、勝つための相場分析の難易度は「全くもって初心者向きではない」という事です。
▼ バイナリーオプションの紹介サイト、情報商材の真偽。現実的に考えて「ピンポイントな時間内」および「時刻」を対象に高い精度で値動きを予測していく事は不可能に近い事だと思います。 「このようなロジックでBETしていれば○%の確率で勝てていた(勝てている)」 というツールを「後付け(いわゆるカーブフィッティング)」で作り出していく事も難しくありません。 |
以上、本講義ではボ『バイナリーオプションが従来のFXよりも圧倒的に難易度が高い理由』を「テクニカル分析」の観点から解説させて頂きました。
今回のテーマに関連する講義が幾つかございますので、こちらも是非、参考にして頂ければと思います。
>バックテストの検証結果とトレードルールの有効性判断について。 |
本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。