FXやトレードで長期的にリターンを上げて「勝ち続ける」には『有効なトレードルール(トレード基準)の確立』が必要不可欠です。
具体的に言えば、
・有効なエントリー基準(買いポジション、または売りポジションを建てるルール) ・相場がポジションを建てた方向に動いていった場合の利食いの基準(利確ルール) ・相場がポジションと逆方向に動いてしまった場合の損切りの基準(ロスカットルール) |
この3つの基準(ルール)が、それぞれの基準を補い合い、また、相乗し合うような形で確立できていなければならないという事です。
その上で、多くのトレーダーは「有効なエントリー基準の追及」に比重を置いている傾向にあります。
ですが、実際のところ、多くのトレーダーがFXやトレードで「勝てていない要因」は、エントリーの基準の優劣よりも、利食いと損切いの基準やルールの優劣の方にあるのが実情です。
そこで、本講義では『長期的にリターンを生み出せる』という観点において「そこに十分な有効性が伴う、利食い、損切りの基準やルールの定め方」について解説していきたいと思います。
長期的な「勝ち負け」と「損益」は『利食い』と『損切り』の優劣で決まる。
トレードは基本的に「まずポジションを建てるところ」から始まるため、先立つエントリーの基準の有効性を追及する事は確かに重要であり、そこを疎かにして良いと言うつもりは全くありません。
ですが、仮にどんなに優位なエントリー基準を確立する事ができていても「利食い」と「損切り」のルールが『長期的にリターンを追及できるもの』になっていなければ、FXで「勝ち続ける事」はできません。
また、先立つエントリー基準がそこまで高い有効性を伴っていなくても、利食いと損切りのルールが、それを十分に「補えるもの」になっていれば、実際にはそれで勝ててしまうのがFXの現実でもあります。
実質的にFXやトレードの「勝ち負け」や「損益」は、どこで利食いを行ったか、また、どこで損切りを行ったかで「確定」していくものだからです。
また、エントリー後の値動きの上げ下げは、極論、それが2分の1つの確率になると考えれば、エントリーの基準は、どんなに適当なものでも、その確率論を著しく下回るものにはなりません。
つまり、
・FXやトレードの勝ち負けや損益は利食いと損切りの実行と共に確定していく ・エントリーの基準はどう悪く転んでも2分の1の確率論を大きくは下回らない |
といった点で、その「勝ち負け」を実質的に左右していくのは、やはり、利食いと損切りの基準やルールに他ならないという事です。
その上で、実際に「利食い」「損切り」の基準をルール化していく際に、必ず重要視しなければならないのは「リスクリワード」と呼ばれる『損益比率』です。
その「基準」がどうであれ、その基準を前提に定めたルールによって、
・利食い(勝ちトレード)によってどこまでリターン(利益)を伸ばせるのか ・損切り(負けトレード)によってどこまでのリスク(損失)が生じるのか |
これらの数値が「どのような比率になるのか」を捉える必要があり、その基準(ルール)が相場の状況次第で変動するものなのであれば、それぞれの「最小値」と「最大値」も算出する必要があります。
それによって、自らが定めた利食いと損切りの基準が「どれくらいのリターンに対してどれくらいのリスクを背負うルールになっているのか」が分かるわけです。
『利食い』と『損切り』の基準に伴う「リスクリワード」の実現確率。
ただ、ここで言う「利食い」と「損切り」の基準に伴う『リスクリワード』は、各基準を定める段階ににおいては「数値上」は、いかようにもリターンを大きく、リスクを最小にする事もできてしまいます。
ですが、それらによって定められる「リスクリワード」は、あくまでも「理論値」に過ぎないため、実際のトレードにおける「損益」は、その基準を前提とする「勝率」に左右されます。
例えば、
・利食い(勝ちトレード)のリターン:資金の10%相当 ・損切り(負けトレード)のリスク :資金の1%相当 |
このようなリスクリワードが「固定」される形の利食い、損切りのルールであれば、リスクに対するリターンは10倍という事になりますが、このトレードルールの勝率が「5%」だった場合。
このトレードルールで100回のトレードを資金100万円で行った場合は。
100回中5回の勝ちトレード : 5回×10%(100,000円) = +50万円の利益 100回中95回の負けトレード:95回×1%(10,000円) = -95万円の損失 |
となるため、損益合計は「-45万円の損失」という事になり、このトレードルールでは「勝てない」という事になります。
このように「損切り」と「利食い」の基準に伴う「リスクリワード」と、そのトレードルールに伴う「勝率」が分かれば、長期的な「勝ち負け」や「損益」の理論値はある程度、算出できるという事です。
よって、ここで言う「リスクリワード」は、利食いと損切りの基準をどのように定めるかで、そのリスクとリターンの「数値」や「比率」を、自らが任意で「定める事」ができます。
対して、トレードにおける「勝率」は、エントリー基準も含めた上での「トレードルール」によって、実際の相場を対象に「バックテスト」や、実際の「トレード」を重ねていく事で算出されていくものです。
つまり、
・「リスクリワード」は、利食いと損切りと基準で自由に定められる比率 ・「勝率」は、そのルールに基づくトレード結果によって算出される確率 |
という事になるため、利食いと損切りの基準(=リスクリワード)の「調整」に伴う勝率を「検証」しながら『長期的に損益をプラスにできる基準を確立していけば良い』という事です。
▼ 私が実現している「99%以上の勝率」に対するリスクリワードちなみに私が以下のツイッターを介して行っている「公開トレード」では、2020年度の年間勝率は99%、2021年度は現時点で100%を実現しています。 ↓↓↓ テクニカルトレードと統計心理学、管理人Yのトレード公開用ツイッター
>Twitterによる公開トレードの勝率、パフォーマンス一覧 このゆな「勝率」に対して、私が現在の自らのトレードルールにおいて定めている「利食い」と「損切り」の基準に伴うリスクリワードの水準は、
となっています。
という事になるため、仮に「全ての勝ちトレード」が最低1%の収益となり、また「全て負けトレード」が最大10%の損失となっても、損益合計は十分にプラスになっていく事が分かります。 |
以上、本講義では『利食い、損切りの基準やルールの定め方とリスクリワードと勝率の関係』について解説させて頂きました。
今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、併せて参考にして頂ければと思います。
・投資、トレードにおける「リスク」の本質と正体。
・含み損に対する「損切り」の重要性と有効な損切ルールの考察。
・損切りルールと利食いルールにおける「適正比率」の考察。
本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。