相場が上昇トレンド、または下降トレンドにある最中で、そのトレンドに追従するようなトレード手法を「順張り」およびトレンドフォロー。
対して、相場におけるトレンドとは逆方向にポジションを建てて、その反転のポイントを狙うようなトレード手法は「逆張り」と言われています。
よって「順張り」は『トレンドの継続を予測して、そのトレンドに沿ってポジションを建てる手法』であり、対する「逆張り」は『トレンドの反転を予測してポジションを建てる手法』という事になります。
ただ、それぞれの手法のポイントとなる「トレンド」の解釈や考え方には、幾つかの「考え方」があり、それによって、それぞれのテクニカル分析の視点も変わってきます。
そこで今回は「順張り(トレンドフォロー)」と「逆場り」における、それぞれの具体的なテクニカル分析の視点と、その違いについて考察していきたいと思います。
「順張り」と「逆張り」のテクニカル分析の考察。
この「順張り」と「逆張り」の定義や考え方には「個人差」もあり、その「個人差」は『トレンドを捉える視点の違い』によって生じています。
つまり、トレンドの「継続」を狙うポイントの認識(意識)と、トレンドの「反転」を狙うポイントの認識(意識)が『トレーダーごとのトレンドの捉え方によって異なってくる』という事です。
そもそも、相場における「トレンド」の判断は、
・どの時間足チャートで「トレンド」を捉えるか ・どのようなテクニカル指標で「トレンド」を捉えるか |
これらによっても変わってくるため、全く同じタイミングで相場を見ていても、その「時間足」や指針としている「テクニカル指標」が異なれば、その「トレンド」の判断も変わってきます。
例えば以下はビットコインの日足チャートですが、このチャートを見ても、やはり、その「トレンド」の判断はトレーダーによって異なるはずです。
↓↓↓
このチャートを見た上で、
「全体的に相場(レート)は上がっているのだからビットコインは上昇トレンドだ。」 |
このように考えるトレーダーもいれば、
「2021年4月に最高値を付けてから50%近く下落しているのだから下降トレンドだ。」 |
このように考えるトレーダーもいると思います。
また、王道的なテクニカル指標である、
・トレンドライン ・移動平均線 |
これらによって、その「トレンド」を判断するとしても。
このような「上昇方向のトレンドライン」を描写し、このトレンドラインを意識しているようなトレーダーは、当然、BTC相場を「上昇トレンド」とみている事になりますが。
このような「下降方向のトレンドライン」を引いて、これを現在のビットコイン相場のトレンドを形成しているラインと判断しているようなトレーダーはBTC相場を「下降トレンド」と見ている事になります。
対して、以下のような「移動平均線」をチャートに表示させている場合。
前者の300MA(長期移動平均線)は傾斜の強い上向きで、レートが移動平均線に接している状況からも、移動平均線のセオリーとしては「上昇トレンドの押し目(再び上昇するポイント)」という見方になります。
ですが、後者の75MA(短期の移動平均線)は、逆向きのV字を描いて下向きになっているため、移動平均線のセオリーとしては「下降トレンド」という見方になるはずです。
このように、同じ時間足で同じテクニカル指標を表示させても、その描写の視点や、設定値の違いで「トレンドの見立てが真逆になってしまう」という事です。
同じ時間足、同じ指標でも「トレンドの見立て」は大きく異なる。
また、相場の値動きを表すチャートは「時間足」を変えれば、更に見え方は変わってきますし、大半のインジケーターは、その時間足ごとに、その形状も異なります。
短時間足のチャートを見れば、また、その時間足の範囲で見えてくる「トレンド」があり、そのトレンドも、どのテクニカル指標をどのような視点や設定で「指針」とするかで変わってくるわけです。
よって、実際の相場における「トレンド」の捉え方は、
・時間足の違い ・テクニカル指標の違い ・指標の視点や設定の違い |
これらの「違い」の数だけ、多様な視点で異なる見方をされています。
突き詰めれば「上昇方向」と「下降方向」のどちらかなのですが、短期的なトレンドを捉えている視点もあれば、長期的なトレンドを捉えている視点もあるという事です。
その上で、相場における「トレンド」は、トレンドの中にトレンドが内在し、また、その中に小さなトレンドが二次的、三次的に内在していくという「ダウ理論に基づく考え方」があります。
↓↓↓
長期的なトレンドの見立てと短期的なトレンドの見立ては、このような「ダウ理論」で言うところの「大きなトレンド」と「それに内在するトレンド」の違いにあたります。
故に、全く同じ相場を目にしているとしても、どのトレンドに着目するかで相場の動向判断は大きく変わってしまうわけです。
ですが、それが大きなトレンドであっても、小さなトレンドであっても、その「トレンドの見立て」の正否のみが、実際の「トレード」における勝ち負けを左右するわけではありません。
それこそ、そのトレンドが「継続する」と判断して『順張り(トレンドフォロー)』を行うのか、または、そのトレンドが「反転する」と判断して『逆張り』を行うのか。
その最終的なトレンドの動向判断こそが、実質的な勝ち負けを左右するわけです。
実質的なトレードの決め手はトレンドの「継続」または「反転」の判断。
よって、実際のトレードでは、常に正しく「トレンド」の方向を判断する必要はなく、
・継続しそうなトレンドを判断できる基準(順張りの基準) ・反転しそうなトレンドを判断できる基準(逆張りの基準) |
このいずれかを確立する事ができれば、それで十分に「勝ち続ける事」が出来ます。
その基準を満たせるポイントだけを狙って、その基準に沿ったトレードを行い、そこで相場が思惑通りに動いていけば、それで十分にリターンを追及できるからです。
または
・トレンドの「継続」を判断できるポイント(順張りのポイント) ・トレンドの「反転」を判断できるポイント(逆張りのポイント) |
これらを絞り込めるような基準やチャートパターンを確立できれば、そのポイントにおける相場の動向次第で、エントリーと損切りを判断できる事になります。
例えばトレンドの継続ポイントで相場がトレンド方向に動いていくなら、その方向にポジションを建てていく「順張り」でリターンを追及できるはずでず。
また、そのポイントで、見立てているトレンド方向とは逆側に相場が動ていくようなら、エントリーを見送るか、すでにポジションを建てている場合は「損切り」を行えば良いわけです。
順張り(トレンドフォロー)におけるトレードポイントやタイミングについては、以下の記事でその具体的なチャート事例などを解説していますので、併せて参考にしてください。 >順張り(トレンドフォロー)のトレードポイントとタイミング |
また、トレンドの反転ポイントで相場では、相場が実際にそこで「反転」するかどうかを見極め、反転方向に動いていくなら、その方向にポジションを建てていく「逆張り」でリターンを追及できる事になります。
そのポイントで、相場が反転しないまま進行していくようなら、エントリーを見送るか、すでにポジションを建てている場合は、そこで損切りを行うわけです。
逆張りのトレードポイントやタイミングについては、以下の記事でその具体的なチャート事例などを解説していますので、併せて参考にしてください。 >トレンドの反転を狙う「逆張り」のポイントとタイミング |
つまり、相場における「トレンド」は、それが大きなトレンドであっても、小さなトレンドであっても、その全てを常に把握する必要はなく、
・継続、または反転を予測できるトレンドの判断 ・継続、または反転が伴うポイント |
これらを予測できるテクニカル分析の基準やチャートパターンを導き出す事が出来れば、FXやトレードは実質的に「勝ち続ける事が可能になる」という事です。
▼ 異なるトレンドの「順張り」と「逆張り」の視点が一致するケース。ここで言及したような論理から、相場内では大きなトレンドから、そこに内在する小さなトレンドまで、それぞれが上昇方向と下降方向のトレンドを作り出していきます。 ↓↓↓ 青丸のポイントは上昇トレンドの「押し目」となっている絶好の『順張り』のポイントであり、赤丸のポイントは、下降トレンドの反転が見込める『逆張り』および『売りポジション解消(利食い)』のポイントにあたります。
このような「買い目線」が一致するポイントだったわけです。 |
以上、本講義では「順張り」(トレンドフォロー)」と「逆場り」における、それぞれのテクニカル分析の視点と、その違いについて解説させて頂きました。
今回のテーマに関連する講義も他に幾つかございますので、併せて参考にして頂ければと思います。
>「順張り」と「逆張り」はどちらが稼ぎやすいのか。 |
本講義の内容が、少しでも今後のあなたの資産運用のお力添えになれば幸いです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。